“失恋ソングの女王”として支持される柴田淳。精神的露出狂な素顔とは… 「自分の恥を出すしかないんです」

２０１５年、ＡＫＢ４８の指原莉乃がハマってる歌手としてバラエティ番組『今夜くらべてみました』に出演。その美貌とネガティブなキャラのギャップで一躍、注目を集めたのが柴田淳（３９）だ。「死にたい」「消えたい」などのフレーズがやたら多い、暗い曲ばかり書くシンガーソングライターとして紹介され、番組内でも「昨日ファンからフラれてきた」「誰も私のことを愛してくれない」「ストーカーばかり寄ってくる」など残念なエピソードを披露し話題に…。彼女は、幼い頃からピアノのレッスンを受け、２００１年にシングル「ぼくの味方」でデビュー。以降、女性の切ない恋心を赤裸々に綴（つづ）った詞を甘いメロディをバックに透明感のある美しい歌声で歌い上げ「失恋ソングの女王」として広い層からの支持を獲得。またＣＨＥＭＩＳＴＲＹや中島美嘉などにも楽曲を提供し、音楽関係者からも高いリスペクトを受けているが、昨年１１月にはデビュー１５周年を記念したベストアルバム『Ａｌｌ Ｔｉｍｅ Ｒｅｑｕｅｓｔ Ｂｅｓｔ～しばづくし』を発表、じわじわ反響を呼んでいる。ＴＶのバラエティもその後「行列のできる法律相談所」「着信御礼！ケータイ大喜利」など立て続けに出演、さらにオファーが殺到しているとか。果たして、そんな波にのる彼女とは一体、どんな人なのか？ 直撃し素顔に迫った！―２０１５年はＡＫＢ４８の指原莉乃さんがハマってる歌手として注目が集まり、何度かＴＶに出ましたね。柴田 まさかそんな風になるとは自分でも驚いてます。１５年やってて、ＴＶなんて歌番組に１、２回しか出たことないのに！―その指原さん曰く、柴田さんの歌は暗い！と（笑）。別れたとかフラれたとかいう恋愛の歌ばかりで、詞には「死にたい」「消えたい」ってフレーズが多いと番組でも紹介されてました。柴田 あははは。そうなんですよ。でもあそこまで書いてるとは意外でした。普段、自分の曲ってほとんど聴かないんで。私、実体験を元に曲を書いてるんで、聴くたびにその時のことを思い出しちゃうんです。この曲はあいつのことだとか、あの時はこんなこと言ったなぁとか。それがものすごく嫌で。―本当にリアルな別れや失恋をしてると…。では先頃、発売された『Ａｌｌ Ｔｉｍｅ Ｒｅｑｕｅｓｔ Ｂｅｓｔ～しばづくし』はベスト盤ですが。制作中は大変だったんでは？柴田 あれはファンからリクエストを募って曲を選んだんです。だから気持ち的には比較的、楽に作れましたね。もちろん思い出したくないこともあったけど（笑）。―自分の中で、特に男性に聴いてほしい曲なんてありますか？柴田 う～ん。どうだろう。「Ｌｏｖｅ Ｌｅｔｔｅｒ」かなぁ。―お別れするけど、お互い大丈夫だし、こうして出会えたことにはきっと意味があるからって。切ないピアノのメロディが印象的な失恋ソングですよね。柴田 はい。もっと言うと、これはお互い寂しかっただけで愛し合ってなんかなかったよね、でも意味はあると信じたい！って歌なんです。要はそういう恋愛をしちゃったんですよね（笑）。この時は、ずっと好きな人がいたんですけど、付き合うまで発展しなくて悩んでたんです。ある方の紹介があって、これも縁かなと思って受け入れることにしたんです。だけどこれがとんでもなくて…。―それも実体験ですね。一体、何が？柴田 最初はよかったけど、そのうち連絡しても会えないし、向こうが会いたい時にしか連絡してこなくなったんです。自分が都合のいい女になってるなって思えてきて。話し合いたいって言ったけど、その途端また連絡がなくなっちゃって。ついに我慢できなくなって「私はなんなの？」ってメールしたら「何って、なんなの？」ってはぐらかすような返事がきたんで頭きちゃって。「もういいです。さようなら」って返して終わりました。結構、モテる人だったようだし、他に女がいたのかもしれないですね。―話し合いもできないって、だいぶ誠意がないですね。柴田 だからといって、パッとは切り替えられないんです。一瞬でも好きになったんだし、そこから事後処理というかその恋心を消していく作業になって。それですぐこの曲を書いたんです。―あなたが死んでも大丈夫とか、私が先に逝（い）ってもみたいに、やっぱり暗い詞のフレーズが出てきますけど、相当思い込んでたんですね。柴田 はい。辛かったっす。だからこの読者の皆さんも女性には誠実であってほしいなと。―勉強になります（笑）。でもそんな感じで実体験を書いてるって、かなり赤裸々すぎません？柴田 よく言われるますけど、自分はプロのシンガーソングライターじゃないですから。―プロじゃないって？柴田 自分が体験してないこともイメージを膨らませてリアルに詞に書けるのがプロだと思うんです。でも私は自分が体験したことしか曲に書けないんですよ。だから自分の恥というか、恥ずかしい部分を出すしかないんです。―恥…ですか。それこそ抵抗ありません？柴田 それはありますよ。でも曲って耳にした瞬間、ドキッって部分がないと、聞き流されちゃうでしょ。敢（あ）えて「そこまでやる？」みたいなところまで書かなきゃ意味がないと思うんですよね。それにそこまでのものを書かないと、なんだか自分が手を抜いている気もするし。あと勇気を出して書くことで達成感を覚えたりもするんです。着ているものを脱ぎまくって、心の底まで裸になっちゃうみたいなものだから。自分では「精神的露出狂」って言ってるんですけど（笑）。―（笑）。そこまで書くのが、自分の作風だと。柴田 あと、曲作りって実は締切りがありますからね。それを守って作品にして出さなきゃ、私、生活できないですし。躊躇（ちゅうちょ）してる場合じゃない、とにかく曲にして恥は後でかこうと思っちゃうんです。―それも現実的ですね（笑）。でも柴田さんって、普通に美人じゃないですか？ なんでそんなに失恋ばかりするのか…。ＴＶではダメな男に惹かれるって言われてましたけど。柴田 こっちこそ是非教えてほしいですよ～（笑）。でもダメだから惹かれるわけじゃないんです。付き合ったら「Ｌｏｖｅ Ｌｅｔｔｅｒ」の時みたいにダメな男が多くて。結局、見る目がないんですよね。―好きなタイプはありますか？柴田 私を子供扱いする人。「どうした？」って、優しく声をかけてくれるみたいな（笑）。―甘えたいんですね。柴田 はい。私、自分の音楽制作をセルフプロデュースでやらせてもらってるんで、周囲に対していつもこうしてくださいって指示するんです。だからプライベートでは思い切り甘えたい（笑）。でもその分、その人が仕事などでしっかりしてくれてないとイヤですけどね。―さて、１月１１日には１５周年を記念してのプレミアムライブがありますね。ベテランのトップミュージシャンをバックに代表曲を歌うそうで、ファンの方々はすごく喜びそうですね。柴田 私のファンって昔から聞いてくれてる男性の方が多いんですけど、最近は「ファンをやめないから、そろそろいい彼氏を作って結婚しなよ」みたいに言われるんですよ（笑）。ありがたいですよね。―女性ミュージシャンって、やっぱりどこか異性としてみてる部分があるから、なかなかそうは言えないもんですよね。柴田 本当にね。そういう人には、結婚できなくても愛想を尽かさずにファンでいてくださいってお願いもしてるんですけど（笑）。―ではこれからの目標なんてありますか？柴田 音楽的には、恋愛の歌はもういっぱい歌ったから、そうじゃないものもどんどん歌っていきたいですね。シングルのままこの年になって、もちろん孤独や切なさもあるんだけど、楽しさもいっぱいあるんで。広い意味での大人の女性の歌も書いていきたいです。もちろん、いい彼氏を作って、さっさと結婚するってのが一番の目標なんですけどね（笑）。（取材・文／大野智己）■柴田淳 ＳＨＩＢＡＴＡ ＪＵＮ１９７６年１１月１９日生まれ 東京都出身。２００１年１０月に「ぼくの味方」でデビュー。以降、１０枚のアルバムと１９枚のシングルを発表。２０１５年１１月にはベストアルバム『Ａｌｌ Ｔｉｍｅ Ｒｅｑｕｅｓｔ Ｂｅｓｔ～しばづくし』をリリース。ＣＨＥＭＩＳＴＲＹや中島美嘉などへ楽曲提供するなど作家としても活動中。○ライブ・イベント情報＜Ｊｕｎ Ｓｈｉｂａｔａ １５ｔｈ Ａｎｎｉｖｅｒｓａｒｙ Ｓｐｅｃｉａｌ Ｍｏｏｎ ｎｉｇｈｔ Ｍｉｒａｃｌｅ ｐａｒｔｙ＞２０１６年１月１１日（月・祝） パシフィコ横浜 国立大ホールhttp://www.diskgarage.com/ticket/detail/no072186元の記事を読む