ラ・リーガ第9節が8日に行われ、アトレティコ・マドリードとレアル・ソシエダが対戦した。

 今季のラ・リーガでも上位争いを盛り上げている両クラブが相見える。
アトレティコ・マドリードは第6節でレアル・マドリードとのマドリード・ダービーを3-1で制して以降、チャンピオンズリーグ(CL)も含めて公式戦4連勝中。第2節でベティスとスコアレスドロー、第5節ではバレンシアに0-3と完敗を喫したが、現在はラ・リーガ5勝1分1敗と悪くない成績をキープしている。

 一方、レアル・ソシエダもCLを含めた公式戦で4連勝中だ。開幕から3戦連続ドローと取りこぼしが目立ったが、以降敗れたのは第5節のレアル・マドリード戦(●1-2)のみ。しっかりと勝ち点「3」を積み上げており、今月3日にはCLでザルツブルクを2-0で下し、同大会で2003-04シーズン以来約20年ぶりの白星を掴み取った。公式戦でアウェイゲームが続く中、『シビタス・メトロポリターノ』で笑うことができるだろうか。


 アトレティコ・マドリードはロドリゴ・デ・パウル、アルバロ・モラタ、アントワーヌ・グリーズマンらの主力が軒並みスターティングメンバーに名を連ねた。一方、レアル・ソシエダは9月のラ・リーガ月間MVPを受賞した久保建英を筆頭に、マルティン・スビメンディやミケル・メリーノといった、こちらも盤石の布陣が送り出されている。

 レアル・ソシエダはアトレティコ・マドリードのしっかりと組織化させた守備をなかなか崩すことができず、試合はややこう着した状態で進んでいく。均衡が破れたのは22分、アトレティコ・マドリードは自陣でボールを持ったコケが右足で背後のスペースへロングフィードを送ると、左サイド開いた位置から飛び出したサムエウ・リーノが見事なファーストタッチを決め、ペナルティエリア左へ侵入。左足でニアサイドを撃ち抜き、アトレティコ・マドリードが先手を取った。

 1点をリードしたアトレティコ・マドリードは44分、敵陣右サイドで得たフリーキックでグリーズマンが横へ繋ぐと、ニアサイドでコケがスルーし、ペナルティエリア手前で待っていたデ・パウルが右足フィニッシュ。
フリーの状態から放たれた一撃は右のポストに嫌われた。

 なかなかフィニッシュまで持ち込めない時間が続いたレアル・ソシエダは前半アディショナルタイム、敵陣右サイドからカットインした久保が左足でクロスボールを送ると、ファーサイドでフリーになったミケル・オヤルサバルがヘディングシュートを狙ったが、シュートは枠を捉えきれない。前半はこのままアトレティコ・マドリードの1点リードで終了した。

 後半立ち上がりの46分にはアトレティコ・マドリードが敵陣左サイドでフリーキックを獲得。キッカーのグリーズマンが今度はシンプルにクロスボールを送ると、ボックス内で相手に当たったものの、ファーサイドに詰めていたアクセル・ヴィツェルがダイレクトで合わせる。ここは右ポストに嫌われた。


 対するレアル・ソシエダは後半に入ると徐々にゴールに迫るシーンを増やす。64分には左サイドを駆け上がったアイヘン・ムニョスがクロスボールを送ると、中央で収めたオヤルサバルがメリーノとのパス交換から豪快に右足を振り抜いたが、ここは左ポストに嫌われた。

 なおも攻めるレアル・ソシエダは73分、自陣でボールを奪ったところから、左サイドに流れたアルセン・ザハリャンが縦に繋ぐと、カルロス・フェルナンデスがボールを収めて逆サイドへ展開。フリーで走っていたオヤルサバルが冷静にGKとの1対1を制した。久保に代わってピッチに立っていたC・フェルナンデスの見事なポストプレーから、オヤルサバルがCLも含めた公式戦3試合連続ゴールを挙げ、レアル・ソシエダが試合を振り出しに戻した。

 その後はレアル・ソシエダが逆転を狙いつつ、アトレティコ・マドリードも守備をベースとしながら勝ち越しの機会をうかがう。
85分にはペナルティエリア右で反転したロドリゴ・リケルメが右足を振り抜くも、シュートはGKアレックス・レミロに弾かれる。こぼれ球にモラタが反応したが、ヘディングシュートは枠を捉えきれなかった。

 続く86分、アトレティコ・マドリードはステファン・サヴィッチからのクロスボールをグリーズマンが頭で逸らすと、コケが横へ繋ぐ。モラタはフィニッシュまで持ち込めなかったが、こぼれ球を拾ったコケが再び横へ繋ぎ、ペナルティエリア中央からグリーズマンが左足ダイレクトでシュート。これがカルロス・フェルナンデスの手に当たり、ハンドの判定でPKが与えられる。このPKをグリーズマンが冷静にゴール右下に沈め、土壇場でアトレティコ・マドリードが勝ち越しに成功した。


 試合はこのままタイムアップ。アトレティコ・マドリードが昨季から数えてラ・リーガでのホームゲーム13連勝、CLも含めた公式戦では14連勝を飾った。一方、レアル・ソシエダは後半に追い上げを見せながら、最後の最後で力尽きる形に。9月17日に行われた第5節レアル・マドリード戦以来、公式戦6試合ぶりの黒星を喫した。

 次節はインターナショナルマッチウィーク明けの21日の開催となる。アトレティコ・マドリードは敵地でセルタと、レアル・ソシエダはホームでマジョルカと、それぞれ対戦予定だ。


【スコア】
アトレティコ・マドリード 2-1 レアル・ソシエダ

【得点者】
1-0 22分 サムエウ・リーノ(アトレティコ・マドリード)
1-1 73分 ミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ)
2-1 89分 アントワーヌ・グリーズマン(PK/アトレティコ・マドリード)

【スターティングメンバー】
アトレティコ・マドリード(5-3-2)
GK:オブラク
DF:モリーナ、アスピリクエタ(79分 サヴィッチ)、ヴィツェル、エルモソ、リーノ(79分 ハビ・ガラン)
MF:M・ジョレンテ(72分 リケルメ)、コケ、デ・パウル(72分 サウール)
FW:グリーズマン、モラタ

レアル・ソシエダ(4-1-4-1)
GK:レミロ
DF:トラオレ、スベルディア、ル・ノルマン(65分 パチェコ)、A・ムニョス
MF:スビメンディ;久保建英(65分 C・フェルナンデス)、B・メンデス、メリーノ(65分 ザハリャン)、バレネチェア(90分 A・シルヴァ)
FW:オヤルサバル(90分 サディク)


【ゴール動画】リーノの先制弾にオヤルサバルの同点弾