現在38歳のマッケンナ監督はアンダー世代では北アイルランド代表に選出されていたものの、選手キャリアはトッテナムのユース世代で終えた。それでも、若くから指導者キャリアを歩み始めると、これまでノッティンガム・フォレストやレスター、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッドでユースコーチを歴任。2018年7月からはマンチェスター・ユナイテッドでアシスタントコーチも務めていた。
そして、2021年12月にリーグ1(3部)に所属していたイプスウィッチでトップチーム監督に初就任を果たした。途中就任だった1年目は11位に終わったものの、翌シーズンは2位に終わり、5シーズンぶりのチャンピオンシップ(2部)昇格へと導いた。
そして、迎えた今シーズンはチャンピオンシップで28勝12分け6敗の勝ち点「96」で終え、首位レスターには勝ち点「1」及ばず優勝とはならなかったものの、今季のリーグ最多得点数(92)やリーグ最少敗戦数などを記録して、わずか1年でのプレミアリーグ昇格を果たした。
この躍進劇からマッケンナ監督の手腕は高く評価されており、指揮官を解任しているブライトンやチェルシー、さらにはエリック・テン・ハフ監督の去就が不透明となっているマンチェスター・ユナイテッドも関心を寄せるなど、マッケンナ監督の去就には注目が集まっている。
このような状況を受け、イプスウィッチはマッケンナ監督が引き抜かれることを阻止するために、新契約を締結することを目指しており、イギリス紙『サン』では現在の120万ポンド(約2億4000万円)の年俸から4倍以上となる500万ポンド(約10億円)の4年契約を提示したことも報じられている。
しかし、『BBC』は、マッケンナ監督とアシスタントのマーティン・パート氏はクラブを離れる時が来たと感じている模様で、イプスウィッチからの新契約オファーを断ることを予想している。このため、同監督は今夏新天地に向かう可能性が高まっているようだ。
なお、少なくとも400万ポンド(約8億円)の補償金が必要と見られているマッケンナ監督らの引き抜きには、ブライトンが強い関心を寄せているものの、現時点ではチェルシーが優位な位置に立っていることが伝えられている。