しかし、高額なうえに温かくなってから購入するには少しもったいないです。では、お手頃価格で買えて、さらにオールシーズンOKな掛け布団はないのか? 実はあります。それこそが「温度調整掛ふとん」です。いったいどんな商品なのか? それでは、見ていきましょう。
温度調整掛ふとんとは?
と、その前に、まずは温度調整掛ふとんとは何かを知っておきましょう。これは、その名の通り、布団の中の温度を調節してくれる布団のことです。さまざまなメーカーから販売されていますが、ニトリのものがもっとも一般的です。具体的に、その機能を説明すると、繊維中のマイクロ合成物が温度が上がると液状化して、その過程で熱を吸収します。一方、寒くなると固体化してその過程で熱を放出するのです。これはインナーなどにも採用されていて、これにより季節を問わず快適な睡眠環境が整うわけです。
さらに素材はポリエステルなので、羽毛布団などにありがちな臭いもなく、しかも洗えて清潔です。
1)サラリとした感触の「カバーなしでも使える掛ふとん」
それでは、1万円以内で買える「おすすめ快適掛けふとん」3選を紹介します。いろいろなメーカーのものを探してみましたが、ニトリのものがコスパ&性能ともに優れていたため、今回は3品ともニトリの温度調節布団です。軽さと快適さではメーカーや寝具店の羽毛布団がありますが、とても7000円台では買えません。羽毛の量を減らした肌掛け羽毛布団なんてのもありますが、これはその中間。
少し気になったのは、そのまま使用したときの硬く冷たい肌触りです。ニットとガーゼ生地はフワフワで柔らかい感触はしません。フィット感に影響する軽さも気になるところですが、こちらは軽すぎるほどではありません。
2)重さに特徴アリ「抗菌防臭防ダニ加工掛ふとん」
量販店にありがちなただ重いだけの布団と違い、温度調整や吸放湿などの基本機能と、見た目よりも優しい感触の生地も良いです。あれこれ迷ったらシンプルなこちらの商品をおすすめします。
少し気になったのはやはり重さです。確かにフィット感や安心感があるかもしれませんが、逆に他の温度調整掛ふとんよりも少し重量感を覚えます。これ1枚で足りるシーンは多そうですが、購入時は商品の見本をよく触って重さを確認しましょう。
3)肌触りが最大の魅力「そのまま使える掛ふとん」
こちらは肌触りだけでなく温度調整とリバーシブル機能付きで、季節や室温が変わっても大丈夫。布団の中のムレを抑える吸放湿性に優れ、フランネルの優しさを損ないません。本来はカバーを掛けたほうが良いのですが、この商品に限ってはそのまま使うこともおすすめします。
少し気になったのは、ボリュームです。フランネル生地が見るからに温かそうですが、気温によっては温度調整機能があっても熱く感じるときがあるかもしれません。
番外編)ボタンホックが便利「そのまま使える肌掛布団」
掛け布団のお手入れマメ知識
そして最後はやはりみんな気になるお手入れ方法です。今回紹介した温度調整掛ふとんは洗えてカバーが必要ないものもありますが、やはり掛け布団カバーは必須です。カバーは汗や汚れを防ぐだけでなく、中の布団を守る役割もあります。特に羽毛布団は汗やアンモニア、油脂などが劣化する原因となるので、必ず用意しましょう。吸湿性の高い綿素材がおすすめです。
干すときもポイントがあります。まず、真夏の天日干しはやめましょう。これは側生地が傷んでしまうからです。羽毛布団などはカバーを付けたまま、片面1時間ずつ日差しの弱い午前中に干すと良いでしょう。
気温が目まぐるしく変わる春先、体調管理も難しくなりがちです。そんなときオールシーズン使える掛け布団が1枚あれば、真夏の冷房でキンキンに冷えた室内では夏風邪予防に使え、真冬でも毛布を上から掛ければ十分温かく過ごせます。万能寝具、温度調整掛ふとん。ぜひ、おすすめです。
<TEXT/Takeshi>
【Takeshi】
大手寝具メーカーに勤務。寝具や睡眠のプロでありながら、自然環境や魚、釣りのライターでもある。趣味で地方競馬やナンバーズ、ロト6なども愛する