―[メンズファッションバイヤーMB]―

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。
連載第562回をよろしくお願いします。
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夏のクールビズ最新トレンド

 夏の到来を感じさせる暖かい気候の昨今。活動的で明るい気分になりがちな反面、世のサラリーマンを悩ませるのは「衣替え」。

 ジャケットを脱いだ「クールビズスタイル」にマンネリを感じている人も多いのではないでしょうか。

 今回は春夏のクールビズ最新トレンドをお届け。これだけ読んで守っておけばこの夏ビジネススタイルでバカにされることはありません。ぜひ熟読を。

ポロシャツをどうするか?

「ダサい中年男性」はだいたい身に着けている“春夏の職場ファッション”ワースト3
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 さてまずはクールビズスタイルの核アイテムである「ポロシャツ」。90%以上のサラリーマンが夏の出勤着として愛用していることでしょう。

 そんなポロシャツもきちんとトレンドがあることを承知しているでしょうか。10年くらい同じようなポロシャツを着まわしていませんか? ここでは「ダメ」「普通」「最高」の3段階で解説しましょう。

ダメなポロシャツは…

・ドライカノコポロシャツ 2990円
「ダサい中年男性」はだいたい身に着けている“春夏の職場ファッション”ワースト3
ドライカノコポロシャツ
 まずはこちら。はっきり言ってこれをビジネス用のポロシャツとして選んでいる人は要注意。オジサン臭い印象になりかねません。

 最初に言っておきますが、このアイテムがダメなのではなく「ビジネスでこのポロシャツを使うのがまずい」という意味です。
カジュアルでこれを着用する理由はよくわかるし、通気性・肌あたり・シルエットともに高い水準だとは思います。

 しかしながら、ビジネスでこうしたスポーツポロを着用するのはきまって古いおじさん世代。まだ機能繊維の快適なポロシャツもさして流通してなかった、クールビズがまだ浸透しておらず専用商品が開発されず「既存の着心地の良いポロシャツを流用するしかなかった」時代にこれを選んだ人が多いのです。

 今では着心地も見た目もビジネススタイルに合っていると言われると100%間違っていると断言できます。では令和の現代では何を選ぶべきなのか?

普通のポロシャツは…

・エアリズムカノコポロシャツ/ボタンダウン 2990円
「ダサい中年男性」はだいたい身に着けている“春夏の職場ファッション”ワースト3
エアリズムカノコポロシャツ/ボタンダウン
 丸の内あたりのビジネス街を歩いているとよく見かけるのがこちら。それなりに着こなしに対してリテラシーがある方は上のカノコポロではなく、このエアリズムポロを選んでいます。

 まず、着心地は上述のポロシャツと比べると段違い、接触冷感や通気性など炎天下の中動き回るビジネスシーンにおいて優秀な機能性を誇ります。加えて襟。台襟と呼ばれるシャツにあるパーツが付属されています。この台襟がないとネクタイを締める隙間がないので「台襟がある方がフォーマル」とされています。

 当然、「ルール」というだけでなく印象も台襟がある方が明らかにフォーマル。襟が寝ている上述のドライカノコポロだとどうしてもこのフォーマル感が出せないので今のビジネスマンで選ぶ人はいないのです。

 もっともここ10年くらいでようやく浸透したものなので、古くにクールビズのスタートを体験したおじさんたちが知らないのも然もありなん。
印象は激変しますから、ぜひこれらおじさん世代にも取り入れていただきたい。

最高のポロシャツは…

・ウォッシャブルニットポロセーター 2990円
「ダサい中年男性」はだいたい身に着けている“春夏の職場ファッション”ワースト3
ウォッシャブルニットポロセーター
 そして「最高」がこちら。最近はクラシックなポロシャツが好まれる傾向にあります。台襟こそないものの、こちら襟のサイズが大きく、何よりハイゲージのニット素材。

 ドレスウェアのインナーに使うのはエアリズムやカノコポロなどではなく、本来「シャツとハイゲージニット」です。このクラシカルな雰囲気と光沢感がいつものクールビズスタイルを一層おしゃれに引き立ててくれます。

 また、裾のリブは程よいキツさになっており、パンツにインせずともタックインしている様な雰囲気に見せることができる。真夏は暑くてパンツインも辛いですがこちらはインせずとも自然にフォーマルな印象が作れるのでありがたい。

 ジョンスメドレーなどの本格ドレスニットウェアは手が届かない価格ですが、ユニクロでもそれらに劣らないクオリティのクラシックポロがあるのです。おしゃれビジネスマンを目指すならこれは必須でございます。

ダメなシャツは…

・ボタンダウン 半袖 形態安定 ワイシャツ 2189円
「ダサい中年男性」はだいたい身に着けている“春夏の職場ファッション”ワースト3
ボタンダウン 半袖 形態安定 ワイシャツ
 続いてシャツをどうするか。まず「ダメ」からいきましょう。

 もう10年も20年も言われ続けていることなのに、いまだに生息しているのが不思議としか言えません。書店にいき、どのスーツ着こなし本でも良いので手に取って読んでもらえればわかります。
およそ全ての書籍に「襟裏が花柄に切り替わってるシャツ」「ボタンホールがカラーステッチになってるシャツ(画像もボタン部分の糸が違う色になってますね)」などはやめろ、と書いてあります。

 なぜ「スーツのルール上明確にダメ」とされている商品を売り続けるのか? それは悲しいことに「ダサい方が服は売れる」からです。おしゃれな服を求めれば求めるほど当然買う人が限定されていきます。なぜなら仕組みは簡単「おしゃれな人は少数派、服に興味がない人が大多数」だからです。

 服に興味がない人に「いい素材です」なんて言っても伝わるわけがない。わかりやすい「ボタンの色が違う」「ストライプが珍しい」「裏に花柄があって凝ってる」みたいな訴求が響くわけです。服好きであるほどこれらは「珍妙」に見えるのですが。

 構造上しょうがないこととはいえ、この記事を読んでいるおじさんには引っかからないでいただきたい。ドレスはシンプルが一番です。

普通のシャツは…

・ドライノンアイロンジャージーシャツ/ボタンダウン 2990円
「ダサい中年男性」はだいたい身に着けている“春夏の職場ファッション”ワースト3
ドライノンアイロンジャージーシャツ/ボタンダウン
 続いて「普通」はこちら。特に悪いところがない様に思えるかもしれませんが、ただ一点だけ。「半袖」というところが減点です。

 そもそもドレスウェアに半袖という概念は存在しません。
後世になり「着心地」のみを優先して改変したのが「半袖ドレスシャツ」です。

 着心地や機能性と美しさはドレスにおいてはほぼ反します。実際、スーツほど着心地悪く窮屈な服はないでしょう? 着心地と機能性ばかりを求めると当然その分スーツとしての美しさは失われていくのです。

 ただし、真夏の炎天下で「長袖を着ろ」というのも酷な話。なので多くのビジネスマンが半袖シャツを選ぶのは心の底から理解できます。しかしながら、上述の通り「美しさ」と言う観点においてはやは「普通程度」と言わざるを得ないのです。

最高のシャツは…

・スーパーノンアイロンスリムシャツ/セミワイド 3990円
「ダサい中年男性」はだいたい身に着けている“春夏の職場ファッション”ワースト3
スーパーノンアイロンスリムシャツ/セミワイド
 では「最高」は何か? やはり長袖のシャツではないかと思います。

 またできればボタンダウンではなくセミワイドカラーなどの方がおすすめ。セミワイドは襟が左右に開いたような形状になっていますが、これ胸筋が発達して見えるんです。胸が開いたような印象になるので体格が美しく逆三角形を彷彿とさせてくれる。体型を整えていない人でもこうした視覚効果を重ねることで美しく見せることができます。

 暑いのは承知ですが長袖をまくって、セミワイドの襟などでパリッとしっかりアイロンかけてるシャツを着ていると「ああ、美しいな」と思うわけです。

ニットのシャツも最高

・スーパーノンアイロンジャージースリムシャツ/ボタンダウン 3990円
「ダサい中年男性」はだいたい身に着けている“春夏の職場ファッション”ワースト3
スーパーノンアイロンジャージースリムシャツ/ボタンダウン
 なぜかこちらはセミワイドカラーが展開されていないのですが、着心地を多少求めるならこれもおすすめ。

 こちらは上とよく似たシャツですが、実は素材が「ニット」です。
超ハイゲージのニット素材になっているため、シャツ生地では実現できない「柔らかさ」「ストレッチ」があるのでこちら。すごく簡単に説明するなら「Tシャツみたいな素材で作られたシャツ」なんです。柔らかく着心地が良いので美しさと着心地を「可能な限り両立したい」と思うのなら、このジャージーを選ぶのがいいでしょう。

 ちなみに「ジャージー」とは「スポーツジャージ」のことではありませんのでご安心ください。「ジャージみたいな素材なんだろうな」と思ってる方が意外といるみたいですが、大丈夫です。天下のユニクロがそんな珍妙なアイテム作らないです(笑)。

ダメなパンツは…

・スリムフィットチノ 3990円
「ダサい中年男性」はだいたい身に着けている“春夏の職場ファッション”ワースト3
スリムフィットチノ
 さて続いてパンツ。まずは「ダメ」からいきましょう。

 やはりチノパンではないかな……。チノパンも千差万別で「美しいもの」「ビジネスシーンに合うもの」ももちろんあるのですが、ユニクロのスリムフィットチノは素材感やシルエット、ディティールもあまりビジネスに向いたスタイリッシュな印象はありません。

 ビジネス用というのなら、もっと光沢のあるさらりとした生地感だったり、シワが生まれにくいシルエットだったりすべき。ジーンズをビジネスで選ぶ人はいないでしょう? アメリカンなチノもジーンズと同じカジュアルウェアです。着心地良さそう、で選ぶと痛い目に遭うのです。


普通のパンツは…

・感動パンツ 3990円
「ダサい中年男性」はだいたい身に着けている“春夏の職場ファッション”ワースト3
感動パンツ
 そして「普通」はやはりこちら。世のビジネスマンの強い味方「感動パンツ」です。

 この名前の付け方はユニクロ。さすがだなという感じ。「感動パンツ」ってさぞかし着心地いいんだろうと誰しも一度は手に取ってしまいます。シンプルだけど伝わりやすい、いささかダサいですが大衆向けに広く浸透させやすい名前です。

 実際の着心地は「感動」という程ではないのですが(笑)、ただ洗ってもシワにならない、ウールライクなのに着心地もいい、シルエットも綺麗、値段も安い……と悪いところが見つけにくいスラックス。それだけに多くのビジネスマンが選んでいるわけです。

最高のパンツは…

・ストレッチウールスリムフィットパンツ 7990円
「ダサい中年男性」はだいたい身に着けている“春夏の職場ファッション”ワースト3
ストレッチウールスリムフィットパンツ
 では「最高」は何か? やはり機能性と美しさは反する、という話に帰結するわけですが……ウールライクな感動パンツより当然本物のウールの方が美しい。ユニクロのこちらウールスラックスはデパートの平場などでそれなりの値段で売られているスラックスと比較しても、見劣りすることがありません。

 ストレッチを入れており着心地も頑張っているは頑張っています。もちろん感動パンツと比べると少々ケアもストレッチも劣るところがあるでしょうが、意外と通気性はこちらも負けていない。

 ウールは天然の機能素材などと言われるくらい通気性や蒸れに対しては案外強い。しかも、臭いも発生しにくいので慣れてしまうとむしろウールの方が快適に思う人も。

 ただシワになりやすかったりとやはり機能性は劣るので「ここぞ」という時のスラックスというところでしょうか。

 以上、今回はポロシャツ・シャツ・スラックスのクールビズスタイルおすすめを語りました。ご参考に。

―[メンズファッションバイヤーMB]―

【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『ロードマップ』のほか、『MBの偏愛ブランド図鑑』『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Xアカウント:@MBKnowerMag)
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