物価高による節約志向の高まりで、リユース市場が活発化しています。メルカリやヤフオクなどのインターネット、ブックオフをはじめとする実店舗双方の取引が活発であり、企業の成長を後押ししている状況です。

そうしたなか、リユースとは一線を画する企業が中古売買を手掛けるようになりました。各社の最新動向を追っていきます。

メルカリ絶好調の一方で…ファミマやTSUTAYA、さらには「...の画像はこちら >>

ヤフオクやメルカリは好調を維持

リユース市場の活況ぶりは、各社の業績と市場規模の伸び、消費者の意識の変化から読み取ることができます。

LINEヤフーのコマース事業におけるリユース分野は、2026年4月~6月の売上成長率が18%でした。前年同期間は3%程度の伸びであり、好調ぶりに拍車がかかっています。

メルカリの国内マーケットプレイスの売上収益は、2026年4月~6月が前年同期間比で24%増加。エンタメやホビー領域の取引が活況でした。

ジモティーも2桁成長するなど好調です。

ブックオフグループは2026年5月期の売上高が前期比9.2%増の1301億円となり、過去最高を更新しました。経常利益も20.9%増の47億円と好調です。

リユース経済新聞によると、2024年の市場規模は前年比4.5%増の3.3兆円。2030年には4兆円に達する予想を出しています(「リユース業界の市場規模推計2025」)。

消費者は買い物をする際に将来的に手放すことを考慮し、再販価値であるリセールバリューを重視するようにもなっています。


博報堂は2019年と2025年に消費調査を行なっています。その調査では、それぞれの年で物を買う理由や決定要因を割り出し、その差分を出しています(「博報堂生活総合研究所 『消費調査』2019年~2025年変化の結果を発表」)。消費行動にどのような差が生まれたのかを知ることができるのです。

それによると、「自分の気に入ったものよりフリマアプリや中古ショップなどで取引価格が高いものを買う」の差分は9.0ポイント。購入に対する意識調査において差分ランキングの4位に入りました。つまり、昔よりもリセールバリューを意識して買い物をするようになったということです。

これはつまり、売ることを前提に買い物をしている人が増えているということ。インフレは一時的な経済動向かもしれませんが、この消費行動や消費意識が残れば、中期的に中古取引は底堅く推移する可能性があることを示しています。

ツタヤが目指す新たなモデル模索

こうしたなかで、リユース市場へと進出する企業が相次いでいます。

大きな一手を打ったのが、「TSUTAYA」のフランチャイザーであるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)でした。ジモティーを買収して非公開化したのです。

狙いの一つがジモティースポットの全国展開にありました。ジモティースポットは家具や家電、衣類などの不用品を店舗に持ち込んでスタッフが確認。
品物を引き取ります。その品物が欲しい人は無料、もしくは格安料金で購入できるという仕組みです。

CCCとジモティーは2025年10月にコラボレーション第1号となる「ジモティースポット神戸ジェームス山店」をオープンしました。さらに2026年6月には、TSUTAYA店舗内への初出店となる「ジモティースポット枚方牧野高校前店」を開業。TSUTAYAの集客力を生かしてジモティースポットの利用が見込めるほか、レンタル事業の縮小などによる売場の有効活用も期待できます。

CCCはジモティーを傘下に収めたことにより、TSUTAYA加盟店への迅速な展開が可能になりました。TSUTAYAはレンタル需要の急速な縮小に加え、書籍の中期的な需要減も見え始めています。

メガフランチャイジーであるトップカルチャーは、古本や中古のゲーム、トレーディングカードなどの販売を開始しました。しかし、これは多店舗展開する企業でなければそう簡単に扱えるものではありません。

一方、ジモティースポットのように場所の提供であれば、どんな店舗でも対応できるでしょう。CCCのジモティーに対する公開買付は、第1号となる複合店を出店してから半年ほどで行なわれています。それだけ、この事業に将来性を見出したということでしょう。


「コンビニ参入」が促す活性化の流れ

ファミリーマートはブックオフと手を組み、2026年8月から宅配買取の発送受付サービスを開始しました。利用者がWEBで申し込み、不用品を自ら梱包してファミマから発送すると、ブックオフが査定し、買取成立後に代金を振り込む仕組みです。コンビニが中古品を売る際の身近な発送拠点となったのです。

ファミマの店舗数は全国に約1万6000店舗あります。ブックオフは直営店にフランチャイズ加盟店を合わせても835店舗。店舗ネットワークには圧倒的な差があり、特に地方では中古品を販売する拠点が不足しています。コンビニが窓口になることで、不用品を売りたいという需要を喚起できる可能性があるのです。

ファミマは来店動機を作ることができ、ついで買いに期待ができます。フリマアプリやインターネット取引でも売ることはできるものの、梱包や発送が面倒だと感じる人は少なくありません。その受け皿となる可能性もあります。

ジュエリーブランド「4℃」を展開するヨンドシーホールディングスは、リユースの恩恵を受けた意外な会社です。2026年3月~5月の営業利益が前年同期間の2.3倍に急拡大したのですが、利益を押し上げている主要因は子会社である羅針の好調にあります。
羅針は2026年3月~5月の既存店の客数・売上がともに前年同期間の1.5倍に増加しました。

羅針は2024年にヨンドシーが買収した会社で、「ロレックス」など中古の高級腕時計を扱っています。新品の高級腕時計は手に入りづらい状況が続いて中古品の売買が活発化していることに加え、訪日客の買い物も好調ぶりを後押ししています。

ヨンドシーはジュエリーに加えてアパレル事業を収益基盤としてきましたが、羅針の買収によって高級時計のリユースという新たな成長領域が加わりました。中古事業によって、今後の収益力や成長スピードがさらに大きく変わる可能性があります。

<TEXT/不破聡>

【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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