◆高校野球春季関東大会山梨県大会▽決勝 山梨学院11―2帝京三(7日、山日YBS球場)
決勝戦が行われ、今春のセンバツ出場校の山梨学院が帝京三を11―2で下し、2年連続9度目の優勝を飾った。先発の左腕・檜垣瑠輝斗投手(2年)が6回2安打1失点、7奪三振と好投。
山梨学院が帝京三に力の差を見せつけた。6日に56歳の誕生日を迎えた吉田洸二監督は「この春一番の収穫は檜垣」と背番号1の成長に笑顔。今大会3試合目の先発となった決勝では、内角をえぐる直球に持ち球のスライダーを織り交ぜ、相手打線を翻ろうした。檜垣は「テンポ良く投げれば野手ものって来る。そこを意識して投げました」と振り返った。
173センチ、65キロ。小柄な体に安定感を持たせるために、冬場から本格的なフィジカル強化に取り組んだ。スクワット、ベンチプレス、デッドリフト…。愛媛県で育った幼少の頃から巨人ファンだが、目指す選手像は中日の金丸夢斗投手だ。「自分と体格が似ていると思うので」。
センバツではスタンド応援。2回戦敗退後に再開した練習で、吉田監督が「一番成長した」と感じたのが檜垣だった。「覚悟と自覚を持ってやれ」とエースナンバーを渡され「毎日自分の弱いところを見つけて課題を持って取り組みたい」と、おごるどころか、より謙虚になった。
先発の選択肢が増えたのは大きな収穫だ。身長192センチで最速152キロを誇る菰田陽生(2年)、中継ぎで対応力を発揮して来た足立康祐(3年)の右腕2人に加えて、成長株の左腕・檜垣。吉田監督は「投手陣が関東の(強豪校の)強い打線に対して最少失点で(抑えられれば)」。夏を見据えて、さらなる成長に期待した。
(甲斐 毅彦)