◆米大リーグ マーリンズ5x―4ドジャース=延長10回=(6日、米フロリダ州マイアミ=ローンデポパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が6日(日本時間7日)、敵地でのマーリンズ戦に「1番・DH」で出場。6回に右翼席上段にたたき込む特大の10号ソロを放つなど、2安打2打点の活躍を見せた。

2戦連発は今季2度目で、7度目のシーズン2ケタ本塁打は、松井秀喜(ヤンキースなど)に並ぶ日本人選手最多タイ。チームは延長10回サヨナラ負けを喫したが、4番のテオスカー・ヘルナンデスも離脱と故障者が相次ぐ中で、大谷が今まで以上にド軍をけん引する。

 騒然とする敵地で大谷はバットを放り投げた。結果は確信していた。1点を追う6回先頭。ベネジアーノの初球のスライダーを完璧に捉えた。打球速度109マイル(約175・4キロ)、角度33度で球場4階の右翼上部スタンドに着弾。今季2度目の2戦連発となる10号ソロだ。本人が「毎回ああいう本塁打が打てるわけではない」というほど、衝撃の弾道が描かれた。

 公式発表で飛距離403フィート(約122・8メートル)。だが、ロバーツ監督は「実際より(距離が)短く表示されているように見えることがある。今回もそんな感じだった」と特大弾を“認定”した。

大谷は5年連続7度目(日米通算9度目)の2ケタ本塁打に到達。日本人選手では松井秀喜(ヤンキースなど)に並ぶ最多記録だ。さらにMLB公式サイトのS・ラングス記者によると、チーム36試合目での「10―10」到達は05年のB・ロバーツ(オリオールズ)以来、20年ぶり12人目のスピード記録。昨季の同43戦目を超える自己最速達成となった。

 6打数6安打3本塁打10打点2盗塁で「50―50」どころか「51―51」を達成した昨年9月19日(日本時間20日)の“伝説の試合”からローンデポパークでは3試合連発。23年のWBCでは世界一の胴上げ投手にもなった縁深い場所は「いい思い出が多い。本当に好きな球場の一つ」というが、これで通算7戦6発と無類の強さを発揮している。再逆転された直後の7回1死一塁では右翼線へ適時二塁打。この日の2安打2打点はともに一時同点打。チームは延長10回でサヨナラ負けを喫したが、和太鼓演奏や君が代斉唱が行われた“日本文化継承デー”に日本人として花を添えた。

 一方、ド軍は負けても貯金12でメジャー最高勝率を誇るが、主砲のT・ヘルナンデスが離脱。エドマンと打線の核になる2人を欠く状況となった。

「全員が最後までけがなくできればそれに越したことはないですけど、長いシーズンなので必ずそういう時は来る」と背番号17。勢いの止まらない“マイアミ伝説”も今季残り1試合。負担は大きくなるものの、今は大谷を中心に耐えるしかない。まずは目の前の一戦を全力で取りにいく。(中村 晃大)

◆翔平に聞く どこまで飛んでも一緒なので

 ―スイングの状態はどうか。

 「基本的にはバランスよく立って、あとは自分の体に任せてというのが理想の形。もちろんそういう打席は多いわけではないですし、シチュエーションによってセンターを狙うのか引っ張るのか、そういう工夫次第でヒットの確率は上がるのかなと思います」

 ―反省の少ない打席が増えてきたか。

 「強いて言うなら(9回の)最後の打席は出塁に重きを置いてというか。長打で二塁までいければいいですけど、出塁でも十分。2死なので、振りたくなるところですけど」

 ―今日の本塁打で理想の打撃に近づいている手応えは。

 「そういうの(完璧な本塁打)を求めていくと振れ幅というか、打撃の幅自体はちょっと狭くはなってしまうので。どこまで飛んでも一緒なので。

いい打撃ができれば必然的にギリギリでも本塁打になってくれる角度での球も増えてくるのかなと思います」

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