◆ゼット旗争奪第34回春季北海道大会 ▽決勝 札幌北広島1-12旭川大雪※4回コールド(5日・月形町野球場)

 旭川大雪ボーイズが9年連続12度目の優勝を飾った。決勝で9年ぶりの頂点を目指した札幌北広島ボーイズを寄せ付けず、12―1の4回コールド勝ち。

4試合で32得点2失点と攻防兼備のスタイルを貫き、開幕大会のタイトルをつかんだ。最優秀選手には投手と野手を務める樽井新太(3年)が選出された。

 旭川大雪が盤石の布陣で1冠目を手にした。背番号1の前田健成(3年)が今大会4試合目で初めて先発。最速133キロの右腕がうなりを上げ、初回の先頭打者から4者連続三振を奪った。「いつもより腕を振って、ストライクゾーンで勝負できた」と4回3安打1失点と頂点を争う舞台でエースの役割を果たした。

 攻撃もそつがない。初回、四球で出塁した1番の大波蓮唯(3年)は盗塁と捕逸で三塁まで進み、2番の安加賀太一(3年)の右犠飛で瞬く間に先制した。2、3回はそれぞれ打者一巡する猛攻で計10点を奪い、勝負の行方を決めた。山脇瑛翔主将(3年)は「全体でつなぐ打撃を意識できたし、投手も打たせて取れた」と攻守のリズムの良さを強調した。

 3月の春季全国大会は広島北ボーイズに初戦敗退を喫した。「全国でしか味わえない学びがある」と西大條(にしおおえだ)敏志監督。

8強入りした昨年大会も出場している前田は「思い切りよく投げられれば全国でも三振が取れる」と、現在地を確認し、新たなシーズンへの糧としている。

 全国大会を経て、ライバルよりチームづくりを一歩先に進められている。「夏に勝てるようにもっと努力していく」と山脇。今季最初のタイトルをつかみ、勝負所の6月の北海道選手権へ照準を絞っていく。

 〇…札幌北広島は9年ぶりの決勝も思わぬ大敗を喫した。先発右腕の桑原隼平(3年)が初回から制球に苦しみ、後続も相手打線に捕まり、大量失点した。昨年10月の秋季道選手権でも決勝で敗れており、チームは「打倒・旭川大雪」を掲げる。ゲームキャプテンの石田泰生(3年)は「投手陣は苦しかったが、全員でカバーしないと。この程度でくよくよしていられない」と切り替えに努めた。

  ◇表彰選手 ▽最優秀選手 樽井新太(旭川大雪)▽優秀選手 前田健成(旭川大雪)、千葉優輝(札幌北広島)、経塚大雅(苫小牧)、武内和希(札幌手稲)

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