◆米大リーグ マーリンズ1―10ドジャース(7日、米フロリダ州マイアミ=ローンデポパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が7日(日本時間8日)、今季最後の“伝説の地”で三塁打締めを見せた。敵地・マーリンズ戦に「1番・DH」で出場し、今季初の3戦連発こそ逃したが、6回に先制の突破口となる一打。

23年WBCの世界一胴上げ投手、24年には史上初の「50―50」を達成したローンデポパークでは今季も打ちまくったが、伝説の続きは26年のWBCで描く。

 二塁を蹴った。敵地の歓声が増す。大きなストライドで大谷は三塁に滑り込んだ。0―0の6回先頭。5試合連続安打となる当たりは打球速度107マイル(約172・2キロ)で右中間をきれいに破った。メジャー最多に並ぶ今季4本目の三塁打だ。ベッツの四球を挟んでフリーマンの左前適時打で先制のホームを踏んだ。

 7回2死二、三塁では申告敬遠。昨季までド軍一塁コーチだった“元相棒”のマーリンズ・マッカロー監督が勝負を避けると、敵地ながら大ブーイング。異様な雰囲気に包まれた。しかし、マ軍にとっては裏目に。

ベッツが押し出し四球、フリーマンが満塁走者一掃の適時三塁打を放つなど4点が加わり、この回ド軍が一挙6得点。大谷は「2得点」で両リーグ最速で40得点に到達した。ロバーツ監督は「ショウ(大谷)を歩かせてムーキー(ベッツ)に回すのは(相手にとって)難しいこと。後ろにたくさんのいい選手がいると助かる」とMVPトリオを称賛した。

 6打数6安打3本塁打10打点2盗塁で「50―50」どころか「51―51」を成し遂げた昨年9月以来の凱旋となったローンデポパーク。初戦に今季メジャー“打球最速弾”となる9号2ランを放つと、第2戦では4階の右翼上部スタンドに着弾する10号特大ソロ。この日は敬遠を含む3四球と1安打で4度出塁し、4月25日に2割6分だった打率は2割9分9厘まで回復した。「本当に好きな球場の1つ」と話すローンデポで、今年は3試合で打率3割6分4厘、2本塁打、4打点、1盗塁と、相性の良さを示した。

 「選んでいただけるなら光栄なこと」と大谷も出場に意欲を示す来年のWBCは侍ジャパンが順調に勝ち進むと、準々決勝からローンデポパークが戦いの舞台になる。通算8戦6発と異常な強さを発揮する“マイアミ伝説”は26年に続いていく。(中村 晃大)

 ◆23年WBCでの大谷 ローンデポパークでは準決勝メキシコ戦(3月20日)と決勝の米国戦(21日)が開催された。メキシコ戦では4―5で迎えた9回裏に先頭で右中間へ二塁打を放ち、塁上で「カモーン!」と闘志むき出しの絶叫。

侍ナインを奮い立たせ、村上のサヨナラ二塁打を呼んだ。決勝では5回と7回終了後に2度ブルペンに向かい、9回にクローザーとして登板。当時エンゼルスで同僚のトラウトから空振り三振を奪って胴上げ投手となった。

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