右大腿(だいたい)二頭筋筋損傷でリハビリ中の巨人・丸佳浩外野手(36)が今月中にも1軍に合流する可能性が8日、高まった。10日にG球場で行われるシート打撃で、負傷後初の実戦形式に復帰することが判明。

目標とする、負傷から8週目にあたるイースタン・オイシックス戦(16~18日、Gタウン)前後に実戦復帰する見通しが立ち、交流戦前の1軍昇格も視界に捉えた。主砲の岡本和真内野手(28)が長期離脱の緊急事態。通算1842安打を誇る男が戦列に戻れば大きな力となる。

 復活への足音が力強く聞こえてきた。丸は7日にファームの試合前練習に初参加。フリー打撃で力強い打球を連発すれば、外野守備でも軽快な動きを披露した。「予定通り。できることはどんどんやっていこうと思って。あれぐらいはできる」という言葉も頼もしい。10日にシート打撃で打席に立つ予定となった。「あとはやる中で耐久力をつけていく感じかな」と、待望の実戦復帰に向けて、いよいよ最終段階に入りつつある。

 3月22日のオープン戦・ロッテ戦(東京D)で走塁時に右足を負傷。

15年ぶりに開幕1軍を外れたが「焦っても仕方ない」と、6勤1休のペースで前向きにリハビリを続けてきた。同25日にはスローボールマシンで早くも打撃練習を開始。4月26日のMRI(磁気共鳴画像)検査の結果を受けてダッシュの強度も徐々に上げてきた。

 けがを負った当初から実戦復帰の目標を「8週目」に置いた。Gタウンでイースタン3連戦が組まれている来週末がそこにあたる。順調にはきているが「再発しないように」と患部の状態を慎重に見極めながら前進していく。

 岡本が6日の阪神戦(東京D)で負傷離脱。丸が巨人に加入した19年から互いに中軸としてチームを引っ張ってきた後輩に「生きてるか?」と、あえて明るくメッセージを送った。「今チームがいるところは、和真がすごい頑張ってくれたからというのもすごくある」とナインの思いを代弁した背番号8。「当然(離脱はチームにとって)痛いですけど、あのプレーも全力でいった結果ですから仕方ないですよね。本人が一番悔しいと思うけどしっかりと治して、いい意味でリフレッシュして。復帰してからまた活躍してもらいましょう」と優しいまなざしを向けた。

 チームは貯金4で阪神と並んで首位に立っている。12年連続2ケタ本塁打と抜群の安定感を誇る丸が戦列に復帰すれば、勢いが加速することは間違いない。復活への階段を着実に上り、万全な状態で1軍に返り咲く。

 ◆丸のリハビリ経過

 ▽3月22日 オープン戦・ロッテ戦(東京D)の6回に一塁走者として三塁へ走った際に右足に違和感を覚え、代走を送られて途中交代

 ▽同23日 都内の病院で検査し「右大腿二頭筋筋損傷」の診断

 ▽同25日 G球場でリハビリ開始。室内でマシンのスローボール打撃など

 ▽4月8日 ジョギングを再開

 ▽同9日 G球場で屋外フリー打撃を再開。55スイングでサク越えは2本

 ▽同30日 スパイクを履いて塁間ダッシュ。「6、7割でやっている感じ」

 ▽5月4日 負傷後初めて左翼の守備位置でノックを開始

 ▽同6日 イースタン・DeNA戦(Gタウン)の試合前練習に参加

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