◆春季全道高校野球地区予選 函館地区2回戦 知内9―3函館(8日・函館オーシャン)
函館地区で2回戦3試合が行われた。知内は、函館との公立校対決に9―3で勝利。
未完の大器がついにベールを脱いだ。昨秋まで2年間メンバー外だった知内・渋谷來は、初めて立つ公式戦のマウンドで6回5安打3失点。先発の役割を果たし、「ピッチャーを任されている以上、勝たないといけない。そういう強い気持ちはあるほうだと思っているので、気持ちで勝負した。左打者への外角のスライダーが良かった」と振り返った。
試合会場に向かう前、学校で先発を告げられた。「自分に来るんだろうなと、予想はしていた」が、いざマウンドに上がると軸足の震えが止まらず緊張はピークに。それでも、1回を3者凡退に抑えると徐々に落ち着きを取り戻し、5回まで無安打投球。2回に2四球と2犠打で1点、6回に5安打の集中打を許して2点を失ったものの、リードを保ってリリーフにバトンを託した。
入学当初から制球力が課題で、2年間スタンドからの応援が続いた。練習試合では3イニングで2ケタ四死球を与えることもあり、「危ないので(練習での)打撃投手もさせてもらえなかった」という。
183センチ、86キロの恵まれた体格で、指揮官も「体は大きいし、ポテンシャルはある。(背番号1の)田沢ともっと競ってくれれば」とさらなる成長を期待する。右腕は「この体で140キロ投げられないのはおかしいので、今年中に145キロは投げたい」。3年春の公式戦デビューから一気にエース街道を駆け上がる。
(島山 知房)