◆米大リーグ ダイヤモンドバックス5―3ドジャース(8日、米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が8日(日本時間9日)、敵地・Dバックス戦に「1番・DH」で先発出場。9回2死から2試合ぶりの11号ソロを放ち、敗戦の中で気を吐いた。
諦めていなかった。3点を追う9回2死。あと1アウトで試合終了という敵地には「Beat LA(ドジャース倒せ)」コールが鳴り響いていた。だが、大谷がひと振りで切り裂く。ギンケルの直球を打球速度112・9マイル(約181・7キロ)、角度22度、飛距離426フィート(約129・8メートル)でセンター右のテラス席まで運んだ。2試合ぶりの11号ソロで一矢報いた。
「例年、この時期に一番いい状態になることはあまりない」と言いながら、最近6試合で4発と量産態勢に入った。今季、山本の登板試合で初めて一発をマークし、本塁打王争いでは、リーグトップのシュワバー(フィリーズ)に1本差とした。チーム38試合目での11号は54本塁打した昨季より1試合遅く、シーズン46本ペースだが、「一番いい状態」は毎年6月。
大谷の“こだわり”が明らかになった。エンゼルスからFAとなった23年12月にドジャースと10年総額7億ドル(約1022億円=契約発表時のレート)で契約したが、この日、代理人を務めるネズ・バレロ氏が15年契約も可能だったとロサンゼルス近郊で行われた講演会で明かした。「翔平は常に選手として高いレベルを保ちたいと考えており(高年齢で)キャリアが尻すぼみになるようなことは望まなかった。『こいつはいったい何者だ? 一塁まで走ることすらできないなんて、もう選手じゃない』と思われるのは嫌だったんだ」。40歳までその価値を証明し、目指すは10連覇―。この思いが原動力だ。
同じナ・リーグ西地区のライバル、Dバックスとは今季初顔合わせ。敵軍のロブロ監督は「ドジャースタジアムに入ると、俺には大谷の顔が見える」という。今やLAの“象徴”といっても過言ではない。最激戦区で、背番号17は輝き続ける。(中村 晃大)
〇…投手・大谷についてロバーツ監督が近日中の実戦形式登板を期待した。