◆パ・リーグ 西武1―0ロッテ(9日・県営大宮)

 モンテル、持ってる! 7日に支配下に昇格し、先発2試合目の西武・モンテル外野手(25)が2度も“強運”を発揮して虎の子の1点を生み出した。

 「持ってますね~」と自画自賛?したのは両軍無得点で迎えた5回1死二、三塁での第2打席だ。

カウント0―1からロッテ・ボスの126キロスライダーをバットに当てるも打球は力なく一塁ファウルゾーンへ上がった。だが、雨に視界を遮られた一塁手・立松が落球。「もう持ってるなと思いました。今年一番ぐらい、今のところラッキー」。仕切り直した3球目は129キロスライダーに泳がされて空振り三振を喫するも、ボールがベース手前で弾む暴投に。投手と本塁の間にボールが転々とする間に、三塁走者・源田が本塁を陥れ、結果的にこれが決勝点。「とりあえず1点入ったんでラッキーって。ありがたい」と笑みがこぼれた。

 3回1死二塁の第1打席では、ボスの148キロ直球を振り抜き、右前安打。プロ2試合、計4打席目でうれしいプロ初安打もマークした。支配下登録からまだ3日目。「一瞬の出来事で喜ぶ間もなかった」。

投手として入団テストを受験し、22年育成ドラフト2位で四国IL・徳島から入団した。本来の名字は「日隈(ひぐま)」。「“クマ界”のお兄ちゃんみたいな感じ」と話す当時の熊代(くましろ)2軍外野守備・走塁コーチ(現1軍)に預けられ、二人三脚で外野手としての道のりを歩んできた。

 スピードと堅守が魅力で伸びしろ十分。2025年の目標は「スーパースターになること」だ。「『モンテル来たし、なんか起こすぞ』って。あいつは持ってるし、なんかやってくれるっていうのがスーパースターだと思う」。チームは首位オリックスに1差に接近。持ってる新戦力が、勢いを加速させる。(大中 彩未)

 日隈(ひぐま)モンテル

 ★生まれ

2000年3月18日、沖縄県。25歳。

 ★サイズ

187センチ88キロ。

右投右打

 ★球歴

3歳で野球を始め、金光大阪に入学。甲子園出場はなし。

 ★独立リーグ

高校卒業後はクラブチームのOBC高島に進み、20年からは故郷・沖縄の琉球ブルーオーシャンズでプレー。22年に四国IL・徳島に入団。

 ★入団テスト1期生

22年から行われ、フィジカル測定や実技などを行う入団テストの合格者1期生で、22年育成ドラフト2位で入団

 ★熊代コーチへの対抗心

「熊代さんは“くま”、僕は“ひぐま”なんでこっちの方が強いです」

 ★兄弟でプロ野球選手

兄はヤクルトでプレーした日隈ジュリアス

 ★両親

 父は米国人。母は日本人

 ★座右の銘

「疾風迅雷」

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