◆米大リーグ エンゼルス1―4オリオールズ(9日、米カリフォルニア州アナハイム=エンゼルスタジアム)
オリオールズ・菅野智之投手(35)が9日(日本時間10日)、敵地・エンゼルス戦に先発し、メジャー自己最長となる7回1/3を投げて、95球、3安打1失点、無四球5奪三振で4勝目(2敗)を挙げた。降板時にベンチに下がる際には、敵地ながら拍手が起こった。
オリオールズは前日8日(同9日)敵地・ツインズ戦で敗れて5連敗中だった。故障者が続出して波に乗れず、ア・リーグ東地区最下位。菅野は「こういうチームが辛い時だったりとか、なかなか流れに乗れない時にこういう仕事ができるっていうのはほんとに自分自身うれしいし、そこを目標にやってきたというのはあります」とうなずいた。
1回表に2死からヘンダーソンが右翼席へ4号ソロを放って先取点をもらった菅野。先頭のネトをスプリットで三ゴロに打ち取ると、続くシャヌエルからは3球で空振り三振を奪った。2死からモンカダも右飛に打ち取った。2回表にはオリオールズ打線が2点を奪ってリードを3点に広げた。
2回は先頭のウォードを右邪飛に打ち取ると、続くオハピーをフルカウントから外角の直球で空振り三振。2死からダーノーも3球で空振り三振を奪って、2イニング連続の3者凡退で笑顔も見せた。
3回は1死から8番アデルに中前安打を許して、初めて走者を背負ったが、パリスを空振り三振、ネトを二飛に打ち取って走者を進めることすらなかった。4回も先頭のシャヌエルを一ゴロに打ち取るとたった9球で3者凡退で抑えた。
5回は2死からレンヒーフォに中堅フェンス直撃の二塁打を許して初めて得点圏に走者を背負ったが、アデルを三ゴロ。
7回は先頭のモンカダに右翼線への三塁打。初めて先頭打者の出塁を許して三塁に走者を背負うと、続くウォードの遊ゴロの間に1点を与えて2点差に迫られ、ブルペン陣も動き始めた。それでもオハピーを空振り三振、ダーノーを右飛に抑えて崩れることはなかった。7回終了時点で91球だったが、8回も続投。メジャーでは初めて8回のマウンドに上がり、先頭のレンヒーフォを二ゴロに打ち取ってマウンドを降りた。
だが、菅野がこれまで挙げた3勝のうち2勝は、チームの3連敗を止めた白星。35歳のオールドルーキーながら早くも先発ローテの中心的存在になっており、今季3度目の「連敗ストッパー」としての期待も高まっていた。
試合前の時点で7試合に登板して3勝2敗、防御率3・00。前回登板の3日(同4日)、本拠地・ロイヤルズ戦は、悪天候で1回終了後に1時間近く中断し、味方の援護なく2敗目を喫したが、6回4安打2失点で3度目のクオリティースタート(QS=6回以上、自責3以内)をクリアして試合は作り、中5日でのマウンドだった。