◆春季全道高校野球小樽地区予選 北照8―0小樽潮陵(7回コールド、10日・小樽市営桜ケ丘)

 小樽、空知、十勝、北見、釧根地区予選が開幕した。小樽地区の北照は、8―0の7回コールドで小樽潮陵に勝利。

背番号18の右腕・上野翔大(3年)が新フォームで6回途中無失点、打っても高校初本塁打を放った。雨天のため釧根、空知地区の各1試合が継続試合、十勝地区の第2試合以降が11日に順延となった。

 北照・上野が、社会人野球のレジェンド投法で白星発進に貢献した。5回0/3を3安打7奪三振無失点。イニングの先頭打者を3度出塁させたことを反省しながらも「冬から真っすぐの強さが課題だった。真っすぐで空振りを取れたのは一つの成長」と振り返った。

 昨秋は背番号「1」で全道大会に出場したが、今春は「18」。春先に不調に陥り、大胆なフォーム変更に踏み切った。強豪・ヤマハの練習に参加した際にチーム関係者からアドバイスを受け、昨年引退したトヨタの佐竹功年氏を参考にしたコンパクトなテイクバックに変更。都市対抗で橋戸賞も受賞しているレジェンドの動画を何度も見返し、短期間でフォームを固めていった。

 青森山田や仙台育英などと対戦した5月の東北遠征で手応えをつかみ、最速は昨秋の132キロから139キロまでアップ。「指のかかりがいい。

真っすぐの質が上がってきた」。復調し、開幕戦の先発を勝ち取った。

 横浜市出身だが、父が北海道出身だったこともあり北照に入学した。入学時は体重が60キロに満たなかったが、多いときには1日7000キロカロリーを摂取して現在の77キロまで増加。5回には練習試合を含めても高校で初の本塁打を右翼スタンドに突き刺し、パワーアップの成果を示した。

 投手陣には最速149キロ右腕の中谷嘉希(2年)ら強力なライバルが多いが「切磋琢磨(せっさたくま)して、夏までには秋に着けた背番号1を取り返せるようにやっていきたい」。名門のエースナンバー奪取を目指し、アピールを続けていく。(島山 知房)

編集部おすすめ