◇春季全道高校野球地区予選 室蘭地区▽Bブロック1回戦 室蘭清水丘0-12浦河※5回コールド(11日・とましんスタジアム)
室蘭地区が開幕した。昨夏南北海道大会に出場した浦河は12―0の5回コールドで室蘭清水丘を下し、初戦突破。
浦河の“かるた名人”が2番手でマウンドに上がり、2回を無安打無失点に抑えた。木村は3月の練習中に頬骨など顔3か所を骨折するアクシデントを乗り越えて上々の公式戦デビュー。試合後、「思い切って腕を振れた」と振り返った。
高校入学後は捕手、内野手でプレー。今年1月ごろから中学以来の投手の練習を始め、サイドとアンダーの中間にあたる「クオータースロー」にまで腕を下げた。緊張もあり、4回は2四球と制球が定まらなかったものの、本来の姿を取り戻した5回は3者凡退で試合を締めた。
今でこそ野球に全力集中だが、白球を追う前から熱中していたのが「かるた」。小学2年から始め、小学5年、中学2年時には全道大会優勝も果たした腕前だ。現在も3か月に1回程度のペースで練習に参加しており、「かるたも相手がどう手を出してくるかとかを考えないといけない。
実家は、23年新潟大賞典など重賞3勝馬・カラテの育成を手がけた「様似木村牧場」を営む。しかし、将来は家業を継がずに「救急救命士」を目指すという。「2014年の(南北海道大会)ベスト4を超えるのが目標。まずは、去年の夏に達成できなかった道大会1勝を目指したい」。異種競技での道大会制覇を目指す木村が、かるたで磨いた集中力を武器にチームを救う。(島山 知房)
〇…昨秋全道4強校の駒大苫小牧はAブロック1回戦で伊達開来に10-3(7回コールド)。エース・寺田七将(3年)をけがで欠く投手陣が1回に先制点を献上するなど9安打を許した。打線も好機を生かし切れない展開が続き、中盤まで一進一退の攻防。最終的にコールド勝ちとなったが、佐々木孝介監督(38)は「負けるよ、そんなに甘くないよとずっと言っていた。公式戦や場所が変わるといい格好をしようとする。それが出た」と課題を口にした。