ドジャース・佐々木朗希投手(23)が13日(日本時間14日)、関節付近に痛みが出る「右肩インピンジメント症候群」のため15日間の負傷者リスト(IL)入りした。数週間前から違和感があり、12日の精密検査で判明した。

3日にメジャー初勝利を挙げ、9日(同10日)には日米通じて初の中5日で登板。再び中5日で15日(同16日)の本拠地・アスレチックス戦に先発予定だったが、回避した。復帰時期は未定だが、長期離脱の可能性も出てきた。

 無情にも朗希の離脱が決まった。日米通じて初めて中5日で登板した9日の敵地・Dバックス戦後はノースロー。ロバーツ監督は前日12日に精密検査を受けたとして「右肩インピンジメント(衝突)症候群」との診断名を明かした。まずはILに入って15日の次回登板を回避。マイナー行きは現時点では否定したが、復帰時期は未定とされた。

 指揮官によると、首脳陣に異変が伝わったのは9日の登板後。朗希は数週間前から違和感を抱えていたようだが、痛みと闘いながらマウンドに立っていた。「投手陣の(故障者が続出する)状況を考えて、彼はパフォーマンスに支障が出ると感じるまで戦い続けたかった」と、指揮官はその理由を説明した。ロッテ時代の昨季は5月と6月に「右上肢のコンディション不良」などで戦線離脱。

「去年似たような症状があったということ」と、昨季から抱えていた痛みであることも明らかになった。

 「インピンジメント―」は関節にある骨同士の間が狭くなって周囲の組織と衝突して炎症を起こすもので、肩以外にも症状が出る。肩の場合は、野球や水泳といった腕を上げる動作に伴い、疲労などが一因となる。一般的には復帰まで4~6週間とされるが、場合によっては骨を削るなどの手術で、時間を要するケースがある。

 今季は8試合で1勝1敗、防御率4・72。当面はノースローとなる。昨季は山本が6月に右肩痛で離脱し、慎重にリハビリして復帰まで約3か月かかった。朗希の故障の程度は不明だが、過去の症例から見れば長期離脱となる可能性もある。軽症でも「100%にすることが重要」と指揮官は強調しており、山本同様じっくり治すことを最優先とすれば、前半戦の復帰は難しくなりそうだ。

 ロッテ時代に最も投げたのが22年の20登板、129回1/3。5年間で一度も規定投球回には届かなかった。1年目の20年は右肘を痛めて1年間登板なし。

その後も腰や左脇腹などの故障でたびたび離脱し、メジャーの厳しい日程に対応できるかはひとつの焦点だった。

 メジャー初登板だった3月19日のカブス戦では最速163キロもマークしたが、その後は160キロ超えが1球もなく、9日は最速約156・9キロ、直球平均が152キロ台にとどまっていた。

 試合中はベンチで観戦し、山本と笑顔で話す場面もあった。試合終了6分後には山本とともに足早に帰宅し、取材対応はなし。中4、5日が主流のメジャーで、ド軍は中5日は1度だけ、100球以上は一度もなしと大器に配慮してきたが、故障を防ぎきれなかった。

 ◆佐々木朗希のこれまでの故障

20年6月 右肘肉離れ

21年9月 腰の張り

22年7月 右手中指マメ

23年5月 右手中指マメ

  7月 左内腹斜筋損傷

24年5月 上半身の疲労

  6月 右上肢コンディション不良

※いずれもロッテ時代

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