◆JERA セ・リーグ 広島3―0巨人(14日・マツダスタジアム)

 温大(井上)は要所を抑えるのではなく、要所で打たれたという印象だったね。特に痛かったのは2回2死一塁、矢野に許した三塁打。

1ボールから外角を狙った直球が真ん中高めに入った。今の打線の得点力を考えると、どうしても先制点は防ぎたい。その中で打率2割未満の打者に先制タイムリーは痛いなぁ。

 温大がステップアップするには、左打者をどう攻めるか、がカギになる。右打者の被打率2割4厘に対し、左は2割9分2厘と3割近い。僕も左投手だったけど、対左打者の外角というのは的がなくて意外と“ボヤける”。甘く入らないよう、右打者が立っているイメージを持って投げるのも一つの方法。右打者には、いいクロスファイアが行くんだから。

 そして、もっと内角を使いたい。実際に打者が立っていて狙いを定めやすい。左のインサイドには昨季からツーシームを投げているけど、制球にはバラつきがある。コントロールがつきやすい真っすぐでいい。

左打者が嫌がる左投手になれば、もう一皮むける。勝ち星も、もっと伸びていくはずだよ。(スポーツ報知評論家・宮本 和知)

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