◆JERA セ・リーグ 広島5x―4巨人=延長12回=(13日・マツダスタジアム)
総力戦で粘った一戦だったが、最後に力尽きた。今季6度目の延長戦。
序盤から3点を追う劣勢の展開。前日12日にトレード加入し即スタメン起用したリチャードに一発が飛び出すなど、じわじわと点差を詰めた。1―4の6回は1死から3連打で満塁をつくると、浅野が左犠飛。2点ビハインドの8回は無死二塁でキャベッジに2ランが飛び出し、終盤に試合を振り出しに戻した。
追う展開のままで終わらなかった点に、阿部監督は光明を見いだした。「なんとかみんなでつないでいこうっていうね。そういうのも見えるし、そこは継続してやっていきたいなと思います」。本塁打での得点に加え、犠飛や内野ゴロなどでしぶとく1点ずつ刻んでいる現状。あとは、7日・阪神戦(東京D)の4回を最後に43イニング出ていないタイムリーが欲しいところだ。
6日の阪神戦(東京D)の守備時に岡本が負傷し、左肘靱帯損傷で離脱した。主砲不在の中、オーダーを模索する日々が続く。この日は、球団では阿部監督が現役最終年だった19年9月27日以来の「4番・捕手」として、大城卓が巨人軍第94代4番を担った。5番にはプロ初のクリーンアップとなる好調の増田陸を起用。若武者は4安打と気を吐いたが、大城卓は4打数無安打で21打席連続無安打。これで主砲離脱後の4番は3選手が務め、5戦19打数1安打と、最適解が見つかっていない。
救援陣は2番手・船迫以降の救援7人が1失点という奮闘を見せたが、チームは2連敗で3位に転落した。昨年はマツダで開幕から2分けを挟み4連敗を喫したあと、黒星地獄を脱出し、7月以降は6勝1敗と巻き返した。鬼門にしないため、14日のカード2戦目こそ勝利をつかみたい。(田中 哲)