巨人の秋広優人内野手(22)、大江竜聖投手(26)とソフトバンクのリチャード内野手(25)の2対1のトレードが12日、電撃成立した。巨人は不動の4番・岡本和真内野手が長期離脱となり、パンチ力のある右打者を獲得。
巨人が緊急補強に乗り出した。6日の阪神戦(東京D)の初回の守備で一塁・岡本が打者走者の中野と交錯して負傷。左肘靱帯(じんたい)損傷で全治3か月の見込みとなり7日に登録抹消となった。不振で2軍調整中だった坂本が7日の阪神戦(東京D)で急きょ昇格し、いきなり決勝二塁打を打ったが、11日のヤクルト戦(神宮)まで4試合連続三塁でスタメン出場も計14打数2安打と本来の打撃が戻らず、再び2軍で再調整することになった。
球団は打線強化のため、ソフトバンクのリチャードに注目。昨年までウエスタン・リーグ5年連続本塁打王の長打力、一塁と三塁を守れる点は現状の補強ポイントに合致した。今季は3月12、13日のオープン戦・巨人戦(みずほペイペイ)でケラー、山崎から2試合連続本塁打。「8番・三塁」で開幕スタメンをつかむも6試合で22打数2安打と結果を残せず、4月5日に登録抹消になっていたが、環境を変えることで大化けする可能性は十分ある。
巨人が放出する形となる秋広は11日のヤクルト戦(神宮)まで1軍登録されてベンチ入りしていた。それだけに衝撃は大きいが、2日に今季初めて1軍昇格して以降、5試合で7打数1安打だった。身長200センチの大型左打者で、松井秀喜さんの背番号「55」を継承し、23年にシーズン10本塁打も放った。
秋広と同じ二松学舎大付出身の大江はサイドスローの変則左腕で、通算149登板全てリリーフ。今季は1軍登板なしだが、2軍では11登板、14回1/3で投球回数を上回る16奪三振を記録していた。ソフトバンクの左の中継ぎは松本晴、ヘルナンデスらが奮闘するが、経験豊富な大江が加わることでブルペン強化になる。
ともに2年連続リーグ優勝を目指す巨人とソフトバンク。トレードによる活性化で新たな風を吹かせる。
◆リチャード(砂川リチャード)1999年6月18日、沖縄県生まれ。25歳。沖縄尚学から17年育成ドラフト3位でソフトバンク入団。20年3月に支配下選手契約。21年9月5日のオリックス戦(ペイペイD)で史上88人目の満塁弾でのプロ1号。
◆秋広 優人(あきひろ・ゆうと)2002年9月17日、千葉県生まれ。22歳。二松学舎大付高から2020年ドラフト5位で巨人入団。3年目の23年にプロ初安打を放ち、121試合に出場して打率2割7分3厘、10本塁打をマーク。1軍通算153試合、打率2割7分、124安打、10本塁打、42打点。200センチ、100キロ。右投左打。
◆大江 竜聖(おおえ・りゅうせい)1999年1月15日、神奈川県生まれ。26歳。