◆JERA セ・リーグ 広島3―0巨人(14日・マツダスタジアム)
巨人・井上温大投手(24)は真っ赤に染まったマツダに大歓声が響き渡ると唇をかんだ。0―1の6回無死一塁。
6回94球6安打2失点も3敗目。チームの開幕からのマツダでの連敗は5に伸び「先制点を取られたのも、安易にカウントを取りにいってしまったのも反省」とうつむいた。だが、ここまで7試合に先発し、6度目のクオリティースタート(QS=6回以上、自責3以内)達成でQS率は85・7%と抜群の安定感だ。
打線の援護がない中、試合をつくった。初回、先頭から2者連続Kを奪うなど最速151キロの直球にフォーク、スライダーを交えて6K。2回2死一塁で矢野の右越え適時三塁打で先制を許し、3回以外は毎回走者を出した。それでも粘って6回まで投げ抜き「6回のピンチで粘って1点で抑えたのは自分の中でもよかった」と語った。阿部監督は「試合はつくったけど結果的に負けがついちゃったので、先に点をあげないとか、もう少し頑張って意識していってくれたら」と評価するとともに、今後に期待を込めた。
登板前日の13日は24歳の誕生日。
「先制点を取られないように投げてはいるけど、取られた後も切り替えて投げることも大事」と背番号97。次戦へつなげ、3試合遠ざかっている勝利を引き寄せる。(水上 智恵)