◆報知新聞社後援◇静岡学生野球 ▽プレーオフ 日大国際5-0静岡産業大(14日・西ケ谷球場)

 日大国際が静岡産業大を5―0で下し、2季ぶり通算29度目の優勝を飾った。2チームが13勝1敗で同率1位となり、優勝決定プレーオフへと持ち込まれた大一番。

日大国際はプロ注目右腕の林京平投手(4年)が先発し、4安打8奪三振で完封勝利を挙げた。同大学は東海地区選手権(24日、岐阜・長良川)出場権を獲得。三重、岐阜の王者と、わずか1枠の全日本大学野球選手権(6月9日開幕、神宮など)切符を懸けて争う。

  日大国際の林が最後の打者を右飛に仕留めると、両手を広げ仲間を迎え入れた。優勝決定の瞬間にマウンドに立っていたのは初めて。「最後に輪の中に立てることができてうれしかったです」と試合後は笑顔がはじけた。

 静岡産業大との最終決戦。2―0の2回に最大のピンチを迎えた。死球と味方の失策などで1死満塁。だが、ここで踏ん張るのがエースとばかりに空振り三振、三ゴロでしのいだ。終わってみれば被安打4、8奪三振、2四死球の108球完封でチームを29度目の優勝へと導いた。

 プロ注目右腕は、驚異の防御率0・00で今リーグを終えた。

リーグ戦5試合37回を2失点(自責0)。この日のプレーオフを入れれば、6試合46回を投げ、自責点0となった。昨秋までは直球とスライダーしかなかったことで、打者に球種を絞られやすかった。今春までにカットボールを習得したことで、投球の幅が広がり、好成績へとつながった。最優秀防御率に加え、最高殊勲賞、最優秀投手賞も獲得し、個人3冠を達成だ。

 女房役の成長もあった。春から本格的にバッテリーを組んだのが4番の土橋広夢捕手(3年)。昨秋は捕逸が多く、林の魅力である曲がり幅最大約40センチのスライダーではなく、直球を要求することが多かった。毎朝の自主練習でキャッチング技術を磨き、自信を持って変化球のサインを出せるようになったことで、春は配球が変わった。この日は打撃でも貢献し、初回2死二塁で先制の左越え適時二塁打。「いつも林さん頼り。先制点を取りたいという気持ちがあった」。

先輩を思う一打でチームを勢いに乗せた。

 リーグ制覇を果たし、次に狙うのは2018年以来7年ぶりとなる全日本大学選手権出場だ。林は「東海大会でもいい投球をして、神宮に行けるようにしたい」。“ゼロの神話”をひっさげ、エースが全国切符獲得へと突き進む。(伊藤 明日香)

 〇…静岡産業大は昨秋に続く2季連続優勝を逃した。見目大弥投手(4年)が10日の最終節第1日と同じく日大国際・林とのエース対決に敗れ、3回途中4失点(自責2)で降板した。1年生の山口真弥が無失点、篠原大空(4年)が1失点とリリーフ陣が好投したが、反撃はかなわなかった。見目は「秋にリベンジを果たしたい」と悔しさをにじませた。

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