◇春季全道高校野球地区予選 ▽札幌地区Aブロック2回戦 東海大札幌12-5札幌龍谷(8回コールド)

 札幌地区では、今春のセンバツ甲子園に出場した東海大札幌が12―5の8回コールドで札幌龍谷に勝利。背番号「1」の2年生右腕・砂田左漸(さぜん)投手が3回無失点と好投した。

昨秋全道準優勝の北海は逆転で札幌白石を下した。小樽地区では代表決定戦が行われ、北照が2年連続の全道大会出場を決めた。

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 東海大札幌・砂田が2本柱に次ぐ“第三の男”に名乗りを上げた。

 4点差に追い上げられて迎えた6回。センバツ以来の公式戦マウンドに上がった。同大会よりもサイド気味に腕を下げた投法から最速137キロの直球に横に大きく曲がるスライダーを織り交ぜながら、6回に3者連続三振を奪うと、7回は1死満塁のピンチをしのいで無失点。8回も3者凡退で抑えて相手の反撃ムードを断った。

 甲子園では2回戦・浦和実戦で先発に抜てきされ、3回3失点。自己最速を更新する142キロをマークし「全国でも通用する部分があった」と手応えをつかんだものの、帰道後は不振にあえいだ。直近の練習試合・札幌光星戦では7回7失点。「登板した大体の試合で失点してしまった」と、メンバーを外れることも覚悟していた。

 大会に向けて調子は上向いてきたものの、本来の姿ではない。

それでも、遠藤愛義監督(40)は「(3年生のダブルエースの)矢吹(太寛)、高橋(英汰)に負けじと、2人に食い込む意識が欲しい。夏を戦う上でもう一枚力が欲しい」と次期主戦候補の2年生右腕に背番号「1」を与えた。その期待に応えるように、この日は無失点投球。指揮官は「今大会のエースとして、出だしとしてはいい投球をしてくれた」と、うなずいた。

 地区予選は高橋がメンバーを外れ、矢吹も野手での出場がメインになる見込み。時代劇のヒーロー「丹下左膳」から「左漸」と名付けられた“春のエース”は「甲子園も経験している。背中で引っ張っていきたい」。2季連続甲子園出場の力になるために、完全復活を目指して一歩ずつ前進していく。

(島山 知房)

 〇…札幌日大は札幌手稲に8-1(7回コールド)。4月のU―18日本代表候補強化合宿に道内から唯一参加した最速148キロ右腕・窪田洋祐(3年)が最終7回に登板し、無失点で抑えた。長いイニングの登板を見据えて脱力した投球フォームで簡単に2死を奪うと、最後の打者は「力を入れました」と、この日最速141キロをマークして二直に打ち取った。大会前に左手首を痛めた影響を感じさせない投球に「押そうと思ったときにスピードを上げられたので良かった」と振り返った。

 〇…北海は札幌白石に8-2。苦しみながらも初戦を突破した。1回に2点を先制され中盤まで追いかける展開が続いたが、1―2の4回2死満塁から5番・三沢拓己一塁手(2年)が三遊間を破る2点適時打。逆転に成功すると、8回には打者一巡の猛攻で4点を奪い、突き放した。チームは11安打を放ったものの、クリーンアップの2年生3人は各1安打ずつにとどまり、三沢は「3年生だけの力では勝てない。自分たちがもっと頑張らないといけない」と気を引き締めていた。

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