◆米大リーグ ドジャース9―3アスレチックス(14日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が14日(日本時間15日)、本拠地・アスレチックス戦に「1番・DH」でフル出場し、初回先頭の1打席目に今季3発目の先頭打者本塁打となる13号を放ち、チームに勢いを与えた。人気映画にちなんで「スター・ウォーズ・ナイト」として行われた一戦で、期待通りのアーチを描いた。

5月は早くも6発目。5月は23年の月間8発が最高だが、15試合を残しており、過去最高の5月になる可能性が高くなっている。

 勝利への道筋を照らす光のようだった。初回先頭、大谷が内角のスライダーに反応。ライトセーバーのごとくバットを振り抜くと、打球は右翼席へ飛び込んだ。飛距離403フィート(約123メートル)の先制弾に、本拠地が一気に沸いた。山本の登板中に放った今季初のアーチでもあった。

 するとドジャース公式Xは、本塁打の動画とともに「Shohei sent that to a galaxy far, far away!(翔平ははるか彼方の銀河系に飛ばした)」と投稿。これは同映画のオープニングで流れる「A long time ago in a galaxy far, far away...(遠い昔、はるか彼方の銀河系で…)」をもじったもの。MLB公式も「Shohei Ohtani used the force to crush a home run on Star Wars Night!(大谷翔平はスター・ウォーズ・ナイトでフォースを使って本塁打を放った)」と投稿した。

 そんな“魔力”は続いた。山本は6回3失点だったが、5回に金慧成がメジャー初本塁打の同点ソロを放つと、6回は代打・ロハスの適時二塁打で勝ち越し。

逆転で5勝目がついた。大谷の6回の4打席目は、今季最も遅い打球速度54.2マイル(約87.2キロ)というぼてぼての打ち取られた三塁へのゴロでも俊足を飛ばして内野安打に。1点リードの8回1死二塁では申告敬遠。続くベッツが怒りのダメ押し2点適時二塁打を放った。

 試合前にはダース・ベイダーらのキャラクターが登場。同映画の曲がたびたび流れた。誰もが認める“スター”の大谷は4戦ぶりの一発で5月は6発目。5月の月間最多は23年の8発だが、15試合を残してあと2発に迫った。例年は6月に調子を上げることが多いが、4月にパパになったばかりの大谷が打ちまくっている。

 試合前にはブルペン入りして20球の投球練習。映画でも描けないであろう二刀流の復帰へも、一歩ずつ階段を上がっている。スター選手がそろう「銀河系集団」でありながら、後払い契約などでオフには「悪の帝国」とも揶揄(やゆ)されたドジャース。

球団初のワールドシリーズ2連覇という結末へ向けて、物語の先頭には大谷が立っている。(安藤 宏太)

 ◆スター・ウォーズ ジョージ・ルーカス氏が監督を務めたSF映画の金字塔。1977年に公開され、壮大な宇宙空間を舞台に、銀河帝国の支配と反乱軍の戦いを描いた物語。戦闘の際には、「ライトセーバー」と呼ばれる光の剣が使われる。全9作品からなる。

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