◆JERA セ・リーグ 広島5―1巨人(15日・マツダスタジアム)

 とにかく好機を生かせなかった。巨人は痛恨の逆転負けで今季3度目の同一カード3連敗となり、同最長の4連敗。

4月17日以来の貯金消滅で、4位に転落した。阿部監督は「必死にみんなやっているからね。全て僕の采配ミスです」と責任を背負った。

 最初の満塁機は両軍無得点の5回。1死から3連続四球で、その後2死となると、2試合連続4番に座ったキャベッジが粘って7球目に押し出し四球を選び、先制点を奪った。岡本離脱後の4番はこの試合で計26打数1安打となったが、初の打点。相手先発・ドミンゲスにこの回34球を投げさせKOしたが、なお2死満塁でリチャードは2番手・中崎に投ゴロに封じられた。

 さらに1―0の6回は内野安打やボークも絡み無死一、三塁とすると、さらに浅野は死球で無死満塁を迎えた。だが山崎、泉口、ヘルナンデスが凡退し無得点。絶好機を逸した直後に我慢の投球を続けていた山崎が逆転満塁弾を献上した。2イニング連続の満塁を1得点のみに終わったが、指揮官は「それを言っていたらしょうがないんで。スクイズ(のサイン)を出せなかった僕の責任です」とナインを責めることはなかった。

 これで7日・阪神戦の5回から61イニング適時打なし。この日は、1~5番まで全員無安打に終わった。苦しい状況が続く中、二岡ヘッド兼打撃チーフコーチは練習前に「何とかしようって気持ちはすごい伝わってくるから。そこが力みにつながって焦って打ちにいくのだけはやめよう」とナインの背中を押した。バットを短く持つなどの工夫も見せていたキャベッジは「そこ(岡本不在)を嘆いても仕方ないと思いますし、お互い助け合って前を向くしかない」と語気を強めた。

 昨季からの課題である得点圏打率は、試合前時点でリーグ5位の2割2分2厘。主砲離脱後は7戦37打数8安打の同2割1分6厘で、この日も6回無死二塁で甲斐のセーフティーバントが内野安打となったのみの8打数1安打。岡本の負傷翌日で快勝した7日は同5打数4安打で5打点だっただけに、再度束になって状況を打破したい。

 マツダでは9連敗となった18年以来7年ぶりの開幕から6戦6敗で、16日からは東京Dで中日3連戦。気持ちを切り替え、本拠地で仕切り直しを図る。(田中 哲)

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