◆東京六大学野球春季リーグ戦最終週第1日▽早大11―2慶大(31日・神宮)

 早大が慶大に大勝し、3連覇に望みをつないだ。今秋ドラフト候補のエース右腕・伊藤樹(4年=仙台育英)が8回2失点の好投でリーグトップタイの今季6勝目。

現役単独最多の通算19勝目を挙げた。早大は1日の2回戦で連勝すれば勝ち点と勝率で明大に並び、3日に両校の優勝決定戦が行われる。慶大が勝てば明大の4季ぶり44度目の優勝が決まる。

 降り注ぐ雨にも、ぬかるむマウンドにもエースは負けない。早慶戦の大舞台で、伊藤樹が堂々の投球を披露した。両コースへと丁寧に投げ分け、8回を7安打2失点、9三振を奪う力投。逆転Vへ気持ちのこもった126球だった。

 「完璧ではないですけど、ゲームを作って勝てたので良かった。雨になると下がぬかるんだりとか、ボールが滑ったりとか自分と闘ってしまう。打者に対して集中して投げれば、何とかなると思っていました」

 昨秋の早慶1回戦は7回5失点で敗戦投手に。「早稲田は慶応に負けてはいけない中、心残りでしたし、悔しい部分。借りは返せたのかな」と胸を張った。

 現役最多の通算18勝で並ぶ慶大・外丸東真とのエース対決を制し、19勝目。小宮山悟監督(59)が現役時代にマークした20勝へあと1勝に迫った。試合前はOB・和田毅氏の始球式を見届け「早稲田の先輩として追いかけていくべき姿」と闘志をたぎらせた。3季連続Vまで連勝あるのみ。全力で勝ちに行く。(加藤 弘士)

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