◆米大リーグ ドジャース3―7ヤンキース(1日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が1日(日本時間2日)、本拠地・ヤンキース戦に「1番・DH」でフル出場したが4打数無安打に終わり、チームも先発した山本由伸投手(26)が4回途中4失点KOで4敗目(6勝)を喫して敗れて3連勝を逃した。ヤ軍の「3番・右翼」でフル出場したA・ジャッジ外野手(33)も4打数無安打。
最後まで快音は響かなかった。大谷は昨季同僚だった先発左腕・ヤーブローの投球術に翻弄(ほんろう)され3打席抑え込まれ、4打数無安打。大谷の沈黙に同調するようにして前日21安打18得点だったド軍打線も1~4番が16打数無安打で3連勝を逃し、ロバーツ監督も「今日は打線がなにも出来なかった」とお手上げだった。
2戦3発のジャッジも4打席目から2打席連続三振を喫するなど4打数無安打。昨季のワールドシリーズ(WS)の再戦となる名門対決を2戦目までは両軍の主砲が盛り上げたが、ド軍の本拠地に今季最多5万4031人が集まった3戦目はそろって無安打だった。
2人の意地がぶつかったシリーズだった。昨季のWSは大谷VSジャッジの主砲対決に注目が集まったが、大谷は2戦目に左肩を脱臼。本来の力を発揮出来ず本塁打と打点なしの打率1割5厘に終わった。ジャッジも第5戦でようやく本塁打を放って復調の兆しが見えたが、5点差を逆転される一因となった落球があり、戦犯扱い。両者とも力を発揮出来なかったが、今シリーズは初戦で大谷が2発を放てば、ジャッジも初戦で1発、2戦目で2発。間違いなく主役は2人だった。
ド軍のロバーツ監督は2人の活躍ぶりに「スーパースターのプレーを見るのは好きだ」として、前日のジャッジの2発を「見られたことがうれしかった。ソロ本塁打を打たれても受け入れられた」と振り返るなど、その実力を敵軍の選手ながら脱帽するしかないようだった。一方でジャッジも「彼は本当にすごい選手だ。彼には球界一の選手と言われる理由がある」と大谷を認め、大谷もヤ軍戦は「特別な雰囲気というのはあるかなとは思う」と胸に秘めた思いを明かした。
次に両軍、両雄が対戦するとすればWS。両軍とも地区1位を走っており、2年連続の頂上決戦の可能性も十分にある。その先に2人は、26年3月のWBC決勝も待つ。ジャッジは初出場で主将を務めることが発表されており、大谷も出場には意欲を示している。
頂点に立つためには、お互いをリスペクトしながらも、越えていかなければいけにことは分かっている。一方で両軍は2人を抑えるために全力を尽くしている。大谷が最大の目標に掲げる2年連続WS制覇へは、この日のヤーブローのような技巧派も打ち崩す必要もある。2人のライバル対決が続いていくことは、球界の新たな歴史を刻んでいくことになりそうだ。