【ミスター伝説】バレバレだった？　だけど「カンピューター」ではなかった采配＆サイン
堀内恒夫コーチ（左）と長嶋茂雄監督（１９９６年９月２３日・東京ドーム） 画像（1枚）

　監督時代、「動物的勘」とも称された長嶋茂雄さんの采配。多くの「ミスター伝説」が残されている。

　広島市民球場（当時）でのエピソード。ベンチから長嶋さん堀内恒夫ヘッドコーチ（当時）を通じてが「ヒットエンドラン」のサインを出したという。そして、打者に向かって「右に打てばいいんだぞ！」。同球場は狭い。ベンチから打席までが近いから、長嶋さんの声は捕手に全部聞こえていた。バントの時も大声で「ピッチャー前でいいんだぞ」とアドバイスを送るから、その内にサインを出すと敵軍バッテリーに外されるようになった。すると、長嶋さんは堀内ヘッドを呼んで「ホリ、お前のサイン、ばれてるんじゃないか？」と問いかけたという。

　ただ、爆笑伝説だけが残っているわけではない。よく「ミスターの動物的勘」と呼ばれていたが、実は非常に緻密だった。打球方向とかの細かいデータに関しては、すべて頭の中に入っていたという。「スコアラーから提供されたデータを、細かいところまで見ていたんだろうな。そうでなかったら、あんなに覚えているわけがない。

『カンピューター』が長嶋野球の本質ではないことを、一番近くにいたオレが証明するよ」と堀内恒夫氏は、かつて本紙インタビューで振り返っていた。

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