「ミスタープロ野球」長嶋茂雄さんが愛した「うめちゃん餃子」を作り続けている梅田茂雄さんと、妻の多美子さんが3日、突然の別れを惜しんだ。
梅田さんは、巨人が関西遠征時の定宿とする「ホテル竹園芦屋」で、長く料理長を務めた。
「うめちゃん」と呼んでくれたのも長嶋さんからだった。大学時代から長嶋さんのファンだったという梅田さんだが、長嶋さんとは「そんな話はできないよ。天気の話がお好きで、聞かれたら答える。そんな感じでしたね」と、見上げるような遠慮があったという。高気圧の時にはステーキを希望することが多かったと回顧。「肉は昼のみ、夜は魚。
一方、妻の多美子さんは、同ホテル創業家の娘だったこともあり、10歳の頃から長嶋さんと親交があった。「色々な賞をとった時に賞品をよく下さいました。大きなぬいぐるみやカメラ。ある時は野球のボードゲームをいただいて、長嶋さんと一緒にしたこともあるんです」。多美子さんとは芸術の話もよくしていたそうだ。「イタリアのシスティーナ礼拝堂のステンドグラスが美しいとか、絵画の話も。吉野の桜も見に行きたいとおっしゃっていましたね。野球だけじゃなく、本当に博識なんです」と、ほほ笑んだ。
長嶋さんに取材の終了時間を知らせる役割も担っていた。「取材時間が20分なら、終わり頃に知らせに行って、ちょこんと横に座っていました。時間通りなら『たみちゃん、やったね!』っておっしゃって」と2人だけの合言葉があったことも明かした。