◆日本生命セ・パ交流戦 2025 ロッテ5―3巨人(4日・ZOZOマリン)
巨人は追い上げ及ばずパ・リーグ最下位のロッテに敗れ、交流戦3年連続で黒星発進となった。3日に死去した終身名誉監督の長嶋茂雄さんに弔い星を届けたい一戦だったが、先発の井上温大投手(24)が2回に2被弾で3失点するなど、7回5安打5失点で5敗目。
大逆転、メークミラクルを期待させる反撃だった。0―5の8回、先頭・増田陸の四球から門脇、泉口、キャベッジの3連打、吉川の犠飛と打線がつながり、あっという間に3得点。一発出れば同点の状況まで相手を追い詰めた。「3点が今マックスじゃないかな、取れて。それだから100点じゃない」と阿部監督。交流戦黒星スタートも、粘りを前向きに受け止めた。
長嶋さんが亡くなった3日のロッテ戦は雨天中止。一夜明け、ZOZOには半旗が掲げられ、試合前には大型ビジョンに長嶋さんの柔らかい表情の顔写真が映し出されて両チームで黙とうした。目を開けると、スタンドには背番号「3」の長嶋さんのユニホームを掲げたり、大声で「ミスター!」と叫んで追悼するファンもいた。
場内には、長嶋さんが巨人監督時代の93年に「ZYYG,REV,ZARD&WANDS featuring長嶋茂雄」名義でリリースされた曲「果てしない夢を」も流れた。
阿部監督のプロ1年目、2001年の監督が長嶋さん。訃報(ふほう)の悲しみをこらえて、ナインと13年ぶりの日本一を誓い合った。「勝っていい報告をすることしかできないと選手には言った」。キャベッジは「昨日の全体ミーティングで阿部監督が『長嶋さんへの供養は、自分たちにできることをしっかりやって笑顔を絶やさずにプレーすること』と、おっしゃっていたので、そういう意識で試合に臨んだ」とフルスイングした。
不動の4番・岡本が左肘靱帯(じんたい)損傷で長期離脱中。交流戦初戦、外野手を日替わりで回す方針を示していたDHには6番でヘルナンデスを起用した。丸を「7番・左翼」、若林を「8番・中堅」と下位打線も厚くしたが、ロッテの先発・石川柊を攻略できず7回3安打無失点の好投を許した。先発・井上が3回までに喫した5失点は重かったが、相手のリリーフ陣に食らいついた終盤の攻撃には明日への光が差した。
前カードの中日戦を含めて3連敗となり、貯金は3となったが、セ・リーグ全6球団が全敗。下を向く必要はない。