◆日本生命セ・パ交流戦 2025 日本ハム1―7阪神(5日・エスコンF)

 阪神・藤川球児監督(44)が投打の新助っ人の躍動で、日本ハムとのリーグ首位対決を勝ち越した。現役時代に一緒にプレーした新庄監督と相まみえた3連戦を振り返り、「エンターテインメントな部分もあるだけに、(メリハリが利いて)緊張感はお互い非常に高かった」と充実の表情。

メンバー表交換では、敵将の発案で審判団と重ねた手を高く掲げるパフォーマンスを披露して盛り上げた。

 真剣勝負はまず、「6番・DH」で起用したヘルナンデスが初回1死満塁で来日初打点を挙げる右前適時打を放った。開幕1軍メンバーに入れた約4700万円(当時レート)の格安助っ人砲だが、日本野球への適応を促すため、4月1日に早々と2軍降格を決めたことが奏功した。「こちらは練習から、見てますからね」と指揮官。交流戦を見据えて5月下旬に昇格させると、今カードも2戦連続マルチ安打と存在感を見せている。

 投げては“虎のドクターK”こと、デュプランティエが6回2/3を2安打無失点で2勝目。最速154キロの直球と切れ味鋭いカーブを軸に12三振を奪い、球団外国人では21年のガンケル以来4年ぶりの2ケタ奪三振だ。規定投球回に8回1/3足りないものの、計62奪三振はリーグ2位で、奪三振率も1位のバウアーの8・37を大幅に上回る11・96を誇る。

 藤川監督は昨オフ、新外国人獲得に向けた映像チェックでデュプランティエの独特な投球フォームとメジャー、マイナー合わせて奪三振率10・21という驚異的な数字に着目。「彼の良さが十分に出せていた」。その目に狂いはなかった。

 チームは4カード連続の勝ち越しで貯金を最多タイの11に戻した。

「また新庄監督の日本ハムと対戦したい。自分たちが頑張っていけばもっと大きな舞台で戦える」と球児監督。日本シリーズでの再戦という新たな目標が生まれた。(小松 真也)

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