守護神ならぬ、「救援捕手」がゲームを締める。島田樟誠の堀井球児(3年)が、リリーフ捕手としてマスクをかぶる。

2年生の増田壮志がスタメンで出場し、途中から堀井につなぐのが勝利の方程式。「もちろん、スタメンで出たいけど、任された自分の役割を果たしたい」と、堀井が“抑え捕手”として仕事を全うする。

 父の影響で、物心ついた時から阪神ファン。かつての絶対的守護神で、現在の藤川球児監督(44)の名前から命名。2つ上で、島田高野球部だった兄はタイガースから大河(たいが)と名付けられた。祖父の名前が虎平さんでトラとは縁が深い。「野球といえば、阪神です」と、堀井が胸を張る。

 中学時代は捕手だったが、途中で外野手に転向。高校入学後は外野手だったが、2年の夏以降、再びマスクをかぶった。「元々はキャッチャーをやりたかった」。課題の捕球は、阪神の坂本誠志郎捕手(31)を教科書にしている。「日本一キャッチングがうまい、と言われているので見て研究してます」と、暇なときは動画をチェックする。

 高田商高(奈良)時代に、現在のDeNA・三浦大輔監督(51)とバッテリーを組んでいた生駒基樹監督(51)は「インサイドワークがいい。大事な場面で自分の考えを持ってサインを出している」と、評価。試合を締める役割を安心して任せている。

 阪神の本拠地・甲子園球場には、これまで応援に3度行き、すべて勝っているという。「今度は自分があの場所に立ちたい」。創立99年目で初めてシード校として迎える夏の大会。過去最高の16強を超えて、球児がチームを初優勝に導く。

(塩沢 武士)

 〇…日比藤吉郎主将(3年)は先発の有力候補で、打っては4番を務める攻守の中心選手。名前の「藤吉郎」は、天下統一した豊臣秀吉の幼名から名付けられた。好きな戦国武将は「もちろん、秀吉です」という日比は、「ベスト16が最低目標。最高は甲子園出場です」と、キッパリ。本命不在の戦国静岡大会の主役に名乗りを上げる。

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