◆日本生命セ・パ交流戦 2025 ヤクルト3×―2ソフトバンク=延長10回=(6日・神宮)
本塁付近で待つナインから歓喜の水しぶきを浴びた。ずぶぬれ状態でお立ち台に上がったヤクルト・武岡龍世内野手(24)は「人生でサヨナラホームランを打ったのは初めて。
2―2の延長10回1死。松本裕の直球を捉えた打球は大歓声に包まれ、右翼席に吸い込まれた。「塁に出ること、つなぐことを考えて、結果はついてくると思って自分を信じて振り抜きました」。5月中旬に不調で2軍落ち。約3週間、ファームで汗を流した。「もう一度、1軍の舞台に活躍できるように」と己を見つめ直し、再びはい上がってきた。
8回までは完全に負けムードだった。モイネロには球団ワーストとなる毎回の18Kを喫したが、ベンチに諦める者はいなかった。モイネロが降りた後の2点を追う9回。無死一塁でツバメのオスナが、タカの守護神オスナから左翼へ同点2ラン。メジャー時代に何度も抑えられていた右腕に雪辱し、「今回はやり返せました」と胸を張った。
今季3度目の延長サヨナラ勝ちで4月8、9日の阪神戦(甲子園)以来、2か月ぶりの2連勝を飾った。借金17で断然最下位の状況はすぐには変わらないが、この劇的な白星を浮上の足掛かりにする。(長井 毅)
◆記録メモ ▼…ヤクルトは10回で19三振(9回まで18三振)を奪われながらも10回サヨナラ勝ち。9回まで18三振は、球団では05年8月16日の広島戦の17を抜いてワースト。延長を含めた19三振は93年7月6日の中日戦(〇2―1)の20三振に次ぐ、球団2番目の多さ。
▼…9回まで三振がヤクルト18、ソフトバンク11で両チーム合計29。9回までで29は95年4月21日のロッテ―オリックス(三振=19―10)、02年9月25日の横浜―広島(三振=15―14)、06年6月18日の中日―ソフトバンク(三振=19―10)に並ぶプロ野球最多。
▼…延長含め19三振以上で勝利したのは2リーグ制以降で前出のヤクルトの中日戦に加え、95年4月21日に20三振したロッテのオリックス戦(〇2―1)、05年4月6日に19三振した中日のヤクルト戦(〇4―3)に次いで4度目。