◆日本生命セ・パ交流戦 2025 巨人2―1日本ハム(18日・東京ドーム)

 巨人・阿部慎之助監督(46)が3つの「動」で逆転勝ちを呼び込んだ。早めの代走、4番バント、代打バントが得点に直結。

小技と自己犠牲の攻撃で4連敗中の重い空気を一掃した。「そういうので勝てたし、なかなか連打連打って難しいのでね。こういう作戦が増えていくと思います」。2―1で接戦を制して一夜で勝率5割に復帰した。

 1点を追う6回、先頭の坂本が四球で出塁。「もう勝負かけて」と代走・門脇で相手を揺さぶった。3番・泉口の右前安打で無死一、二塁。続く4番・吉川が送りバントを決めた。「2人(塁に)出てくれたので。何とか逆転したいと思って送った」。1死二、三塁から5番・増田陸が中犠飛。泥臭く同点に追いついた。

 前日(17日)は吉川を31試合ぶり今季3度目の4番に入れるも、1得点で敗れて借金1に。「じゃあ(4番は)誰を打たせればいいんですかね、って話なんですよね」と苦悩をにじませていた。一夜明け、2試合連続で4番に吉川を起用。何でもできる強みを最大限生かしてバントを命じた。

 1―1の7回無死一塁では9番・西舘に「ピンチバンター」で代打・小林。今季本拠地初打席に場内は大歓声に包まれた。「代打バントだけど、すごく盛り上がってくれるのでありがたい。チームの士気が上がりますよね。ああやって攻撃していくしか点を取れないと思っていたので何とか得点圏に進めて」とバント成功で1死二塁。1番・丸の決勝二塁打につながった。

 1試合4犠打は今季最多。岡本不在の打線は現状つないでいくしかない。

「連敗が止まってホッとせず、明日(カード)勝ち越すことだけを考えて頑張りたい」。積極的に仕掛ける執念采配で待望の白星をもぎ取った。(片岡 優帆)

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