◆日本生命セ・パ交流戦 2025 中日1―6オリックス(19日・バンテリンドーム)
オリックス・田嶋は言葉にも投球術にも、奥行きを見せた。「若月さんのおかげです。
11日のDeNA戦(京セラD)で初めてナックルを投げた。同僚の九里にも知恵を借りた無回転の新球。試合当日のブルペンで「緩い球がうまく扱えて、他の球が生きる」と発見した。この日は2球。初回2死に岡林から2ストライク目の空振りを奪い、4回2死では佐藤を中飛に仕留めた。最速は149キロ。89キロのチェンジアップと緩急差も生かした。6回2死一、二塁では細川を空振り三振。珍しくガッツポーズもした。
先月には第一子が誕生。心身充実の左腕は「(ナックルは)そんなに長く続く球ではないと思っている」と冷静さも持ち合わせていた。チームは3カード連続で勝ち越し、3年連続の交流戦勝率5割以上を確定。4年ぶりの優勝にも望みをつないだ。白星と進化のヒントまで持ち帰った背番号29。やはり欠かせない。(長田 亨)