◆日本生命セ・パ交流戦 2025 ロッテ6―4巨人(24日・ZOZO)

 本塁打にしても二塁打にしても、やっと坂本らしい打球になってきたね。最後のヒットなんか、交流戦の歴代トップになることを意識してたんじゃないかと思うくらいだった。

調子が上がってくれば、それだけのことができる打者だということ。技術どうこうというより、年齢を重ねた今だからこそのタイミングやリズムの取り方、自分の体の状態も含めて試行錯誤しながら微修正してきたはず。ようやくそれがかみ合ってきた、ということだね。

 それに、キャンプの時に本人と話したんだけど「強く打つ、遠くへ飛ばす、を求めなくなったら打者として終わる気がする」というようなことも言っていた。だからこの本塁打で気分的にも楽になっていくんじゃないかな。丸も2安打したでしょ。まだ老け込む年齢じゃないし、今ならこの2人を1、3番で使って、チャンスを「つくる」のではなく「ものにする」役割を担ってもらうのが理想かな。敗れはしたけど、巨人にとっては収穫ある試合だった。

 リーグ再開後も苦しい戦いは続くと思う。ただ、先発が頑張って、打線が少ないチャンスをものにしながら、チームの強みである大勢、マルティネスが8、9回を守り切るという「形」は見えている。幸い、阪神とのゲーム差がすごく広がったわけでもない。勝負はここからですよ。

(スポーツ報知評論家・高木 豊)

編集部おすすめ