◆米大リーグ ロッキーズ1―3ドジャース(26日、米コロラド州デンバー=クアーズフィールド)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が26日(日本時間27日)、敵地・ロッキーズ戦で“球宴選出御礼弾”を放った。「1番・DH」で先発すると、1点リードの7回2死から右中間へ貴重な追加点となる28号ソロを放った。
高々と舞い上がった打球を悠然と見つめながら、大谷はゆっくりと走り出した。1点リードの7回2死の4打席目。大谷は、カウント2―2から右腕・キンリーの低めのスライダーを振り抜いた。打球角度は、今季の自身2番目で、メジャー通算253発の中でも6番目に大きい40度。滞空時間6秒6の弧を描いた。右翼のブルペンで投球練習をしていた同僚イエーツのグラブに吸い込まれた。「クールだったね。キャッチできて楽しかったよ」と左手を突き上げると、ファンは総立ち。走りながら右手を振って声援に応えた。
貴重な一発だった。
祝砲にもなった。試合終了直後には球宴ファン投票の1次投票の結果が発表され、ナ・リーグ最多の396万7668票を集め、DHで5年連続5度目のスタメン出場が決まった。ナ・リーグの指揮を執るロバーツ監督は投手としては登板させず、1番で起用する見込みであることを明言し「ファンもみんな彼のことを好き。アトランタのファンも彼を見ることでエキサイティングになる」と話した。
球宴出場が決まった日に試合が行われたのは22、24年に続いて3度目。
6月は、21日までの20試合で3本塁打止まりだったが、22日以降の4試合で3発。バンスコヨック打撃コーチは「そのうち勢いに乗る。全く心配ないさ」と信頼を口にしていたが、月間15発を放った5月に続く量産態勢が整ってきた。
大谷の一打がダメ押し点となりチームは4連勝。今季最多の貯金20となって、地区2位のパドレスとも今季最大の6差となった。投手に復帰し、22日には登板してその後に本塁打も放って「単純にうれしい」と笑顔を見せていた大谷。球宴へ向けて、調子は確実に上向いている。(安藤 宏太)