巨人のファーム選手を特集する「From G」。第10回はドラフト1位の石塚裕惺内野手(19)。
2か月半のリハビリを終え、思い切りプレーができる。石塚は喜びをかみ締めている。
「開幕前にけがをして、どうなってしまうんだろうな、と。トレーナーさん含め周囲の方々が本当に精力的にサポートしてくれたので、感謝の気持ちを持ちながら毎日過ごしています」
5月7日には阪神戦(東京D)を観戦。試合前練習を見学し、1軍の雰囲気を初体験した。
「球団は違うけど(阪神の)森下さんの打撃がすごくいいなと感じました。見た試合でホームランを打って、3年目で主力を打っていて勝負強い。僕も勝負強い打者になりたいと思いました」
ドラフト指名時に掲げた目標は「3割30本」。
「(岡本)和真さんも4年目に(3割30本100打点を)打った。(坂本)勇人さんが(打席に)立った時はひときわ歓声が大きい。期待値イコール声援の大きさだと思う。僕もそういう大声援を送ってもらえるような選手になれるように」
リハビリ期間中は環境をフル活用した。G球場ではファームで調整していた坂本や丸らと過ごす時間に恵まれた。その姿を見て、新しく始めた習慣がある。
「ベテランほど試合前練習で早くから準備していた。見習っていかないといけないところだと思い、自分も朝からウェートトレーニングをする流れを作るようにしました。試合の日は朝の7時半くらいから30、40分やっています」
長野からはバットについて助言をもらい、以前のものより25グラム重い895グラムのバットを発注。18日に使い始めてから好調という。
「軽くて振りやすいバットを選んで使っていたけど、(新しいバットは)先端のくりぬいていた部分をなくしました。長野さんからは『今のバットは年齢を重ねてからでも簡単に扱える。若いうちにしかできないようなそういうバットを(使ってみたら?)』というニュアンスの助言を頂きました」
リハビリ明けでもあり、体力不足を課題に挙げる。
「体の疲れはすごく感じます。プロで143試合ずっとレギュラーで出続けるのは本当に大変なこと。僕は2軍で5イニング、7イニングで疲れるので、まだまだ体力強化が必要。そこはこれから養っていきたいです」
復帰は3軍出場を経ずに2軍戦からだった。若手で異例の待遇は期待の表れだ。
「結果も大事だけど、投手への声掛けや全力疾走、当たり前の大切な部分を欠かさないように意識しています。試合でも我慢して使ってもらっている。みんなに納得してもらえるように、元気という部分は意識していきたい」
今季の目標は1軍でHランプをともすこと。ルーキーらしく、エネルギッシュにリスタートを切った。
◆石塚 裕惺(いしづか・ゆうせい)2006年4月6日、千葉・八千代市生まれ。19歳。幼稚園年長から勝田ハニーズで野球を始め、佐倉シニアを経て、埼玉・花咲徳栄では1年秋からレギュラーで3年夏の甲子園出場。高校通算26本塁打。U18アジア選手権は日本代表の4番を務め、準優勝。182センチ、84キロ。右投右打。背番号23。
◆今季の石塚
▼2月1~25日 2軍でキャンプインし、完走
▼3月9日 2軍の阪神戦(Gタウン)でファウルの際に左手有鉤骨骨折
▼同13日 都内で「左手有鉤骨鉤骨切除術」。試合復帰まで2~3か月の見込みと発表
▼5月17日 故障後初シート打撃。「違和感なくできた」
▼同20日 イースタン・楽天戦(森林どり泉)で公式戦デビュー。代打で岸と対戦し、左飛
▼同28日 同・ロッテ戦(ロッテ浦和)で公式戦初安打含むマルチ
▼6月11日 同・日本ハム戦(Gタウン)で初適時打初打点
▼同20日 公式戦初長打となる適時三塁打。
▼同25日 公式戦初の猛打賞となる4安打と初盗塁、本盗など2盗塁