◆陸上◇静岡県中学選抜大会(28日・エコパスタジアム)
全日本中学選手権(8月17日開幕・沖縄)の参加標準記録突破指定大会で、男子1500メートルタイム決勝1組の中島壮琉(袋井陸上)が参加標準の4分8秒00を大きく上回る3分58秒35で優勝して出場権をつかんだ。女子100メートルは六坂レイギフト(SAC)が12秒17で制し、同100メートル障害は中沢美緒(静岡東中3年)が14秒52の優勝で全国出場に華を添えた。
朝一番から目の覚めるような快走劇だ。この日最初の種目だった男子1500メートルで、中島が2位に8秒以上の大差をつけて優勝した。全国参加標準記録を10秒近く上回る自己ベストの3分58秒35は、昨年の全国優勝タイムの3分59秒06よりも速かった。「想定より良かったです」と胸を張った。
9時半スタートのレースに備え、4時半に起床。ウォーキングで体をほぐした。最初の1周は66秒の予定だったが、63秒で入った。「きょうはいい記録が出そう」。2周目も快調にラップを刻み、1000メートルからギアを上げた。「残り500メートルを75秒で走りたかった」。自身の時計では73秒でまとめ、自己記録(3分59秒73)を1秒38も塗り替えた。
都道府県対抗の全国男子駅伝(1月・広島)では、2年生ながら県選抜メンバーとして帯同。
昨年の全中は1500メートルで予選落ち。残り1週でスパートして一度はトップに出たが、残り200メートルでスタミナ切れして後続に抜かれた。「今年は日本一が目標」。リベンジが懸かる全国大会。冬季に1日6キロを走破するなど心肺機能を鍛えてきた県期待のランナーが、沖縄で全国制覇をもくろむ。(塩沢 武士)
▽男子1500メートルタイムレース決勝 〈1〉中島壮琉(袋井陸上)3分58秒35〈2〉坂部隼(掛川陸上)4分7秒04〈3〉藤田健希(浜岡中)4分7秒31
〇…女子100メートルは参加標準(12秒50)を上回る12秒21で予選を1位通過した六坂が、決勝で自己記録に0秒01と迫る12秒17で優勝。「右太もも裏の軽い肉離れで練習不足の中、まずまず」と納得顔だった。ナイジェリア人の父と日本人の母を持ち、昨年の全中は200メートルで決勝進出したが、全国では1人1種目しかエントリーできないため今年は100メートルに絞った。「腕振りなど、まだ改善の余地はある。全国では11秒8台で優勝したい」と高い目標を設定した。
▽女子100メートル決勝 〈1〉六坂レイギフト(SAC)12秒17〈2〉池田結菜(小島中)12秒46〈3〉酒井聖夜(河津中)12秒56
〇…女子200メートルは秋元心夢(こゆめ、城内中3年)が決勝で25秒61をマーク。参加標準(25秒80)を突破して全国切符をつかんだ。予選は25秒94で0秒14及ばず涙。「もうダメ」と一度は諦めかけたが、100メートルのB決勝をパスして200メートルに絞った決勝で快走。「前半から攻めて、最後までピッチを落とさないことを意識した」と、逆転での全国切符に満面の笑みだった。
▽女子200メートル決勝 〈1〉秋元心夢(城内中)25秒61〈2〉芹沢梨心(原里中)25秒88〈3〉佐藤葵(藤枝AC)26秒11
〇…女子100メートル障害は中沢が予選で14秒43をマークして参加標準(14秒60)を突破し、決勝は14秒52で優勝した。3日ほど前から腰痛に悩まされ、向かい風もあって自己ベストの14秒20には届かず「13秒台を狙っていたので少し悔しい」。小学生時代に全国大会のコンバインA(障害と走り高跳びの混合)で日本一になった実力者が、全国では13秒台での表彰台を狙う。
▽女子100メートル障害決勝 〈1〉中沢美緒(静岡東中)14秒52〈2〉渥美奈々(安東中)14秒63〈3〉牛留まどか(東海大静岡翔洋中)14秒85