オリオールズの共同オーナーで、殿堂入りのカル・リプケンJr氏が28日(日本時間29日)に本拠地で、所属する菅野智之投手について初めて言及。「彼は熟練した選手であり、全体的にいいボールを持っている。

我々のチームに馴染んできているように見えますし、おそらくは、チームで最も安定している投手でしょう。彼を獲得できて、非常に嬉しく思っています」と、高く評価した。

 35歳でメジャー挑戦。16試合に先発し、6勝4敗、防御率4・06で、シーズンの折り返し(81試合)を通過した。予想外の低迷で監督解任を招いたオ軍の前半戦で、希望の光を放った菅野の姿は、”鉄人”の目にも好印象を与えたようだ。前日27日、7失点も味方打線の大逆転で今季6勝目を手にしたレイズ戦は、バックネット裏から観戦し、「昨日は少し苦戦していましたね。でも、時に、幸運であることも必要なのです。それに、これまで、彼はあまり味方の援護に恵まれませんでしたから」と振り返った。

 メジャー歴代1位の2632試合連続試合出場記録など、輝かしいキャリアを築き、引退後は、地域貢献や野球普及活動に尽力。2007年に殿堂入りし、現ルーベンスタイン筆頭オーナーが共同経営に乗り出した2024年からは、オーナー・グループの一員になった。

 「現在は経営側の1人ですが、野球人としての長い経験があるので、時には、良き相談役になることもできます」。7月末のトレード期限では、ア・リーグ東地区最下位に沈むオ軍が”売り手”に舵を切ることも予想され、菅野の名前もトレード要員候補に挙がっている。

オーナー・サイドの意向も今後、注目されるところだ。

 この日は、同氏のボブルヘッド・デー。1995年9月6日、ルー・ゲーリッグ氏(ヤンキース)の記録を抜き、2131試合連続出場メジャー新記録を樹立してから、30周年となることを記念し、愛称「アイアン・マン」バージョンのボブルヘッドが先着2万人の観客に配布された。試合前にはフィールドに降り、ケージ裏で野手の打撃練習を視察。炎天下で汗だくになりながら、地元のリトルリーグでプレーする約50人の子どもたちに1人残らずサインし、記念撮影に応じた。旺盛なサービス精神は64歳になった今も、変わらない。

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