◆JERA セ・リーグ 巨人0―4阪神=延長11回=(19日・東京ドーム)
巨人が首位・阪神との延長戦を落とし、87試合目にして自力優勝の可能性が消滅した。先発の山崎伊織投手(26)は7回4安打無失点。
綱引きのような攻防で最後に力尽きた。攻撃陣が決定機を逃しながら耐えて粘って0―0のまま延長戦に持ち込んだが、11回に悪夢の4失点。重い現実を突きつけられるかのように一気に勝負を決められた。試合後の阿部監督は開口一番「いやあ、悔しいね」と屈辱を受け止めた。今季ワースト借金2、首位・阪神と今季最大10差。7月19日、87試合目で自力優勝の可能性が消滅した。
好機であと一本が出ず、投手陣に重圧がかかる。典型的な最近の負けパターンだった。11回までに計6度先頭打者が出塁。
17日のヤクルト戦(神宮)でバント失敗した泉口、佐々木が18日に休日返上でバント練習。2番・佐々木は犠打2つと成果を見せた。9回無死一塁で4番・増田陸も送りバントを決め、チームとして計4犠打。それでも無得点に終わった。直近14試合で11度目の2得点以下。苦しいが、岡本不在の今はコツコツつないでいくしかないのが現状だ。
対照的に阪神は4番・佐藤輝が決勝2ラン。
球宴前最後のカードとなる阪神3連戦。ミーティングでは選手に「食らいついていくしかない。何とか食らいついていくための3連戦だと思っていこう」と声をかけて鼓舞した。今季の伝統の一戦は6カード連続で初戦敗戦となり、4勝12敗。屈辱的な数字が並ぶがまだ何も終わっていない。「まだチャンスがあるし。
巨人は過去30年間で自力優勝消滅後に逆転優勝した例が3度ある。10差以上を逆転して頂点に立ったこともある。8月中旬以降に1軍復帰を目指している主砲の岡本が戻るまで踏ん張るしかない。「試合はずっと続くわけだし。やる以上、絶対にあきらめちゃいけないと思うので。力がない選手がたくさんいるけども、そういう気持ちだけはしっかり持たせるように僕らが言っていこうと思います」と阿部監督。球宴前残り2戦を勝って、後半戦に希望をつなげたい。暗くなるのは早すぎる。(片岡 優帆)