◆JERA セ・リーグ 巨人0―4阪神=延長11回=(19日・東京ドーム)
延長11回1死一塁から船迫が佐藤輝に決勝2ランを許した。内角にミットを構えた甲斐はボール球でいいという意図だったと思うが、カットボールが中に入った。
この敗戦で、巨人の自力Vの可能性が消滅した。ただ、自力Vの可能性はすぐに復活したりするもの。さらに言えば、私も経験したが、08年に最大13ゲーム差からの逆転優勝を果たし「メークレジェンド」と呼ばれた例もある。まだまだ諦める段階ではない。
その年は首位を走っていた阪神に7月22日にマジックも点灯していた。ただ、独走していた時が頂点と考えるなら、いつか落ちる時も来るはずと思っていたし、何よりもう勝ち続けるしかないと開き直って自分たちの戦いに集中したことを思い出す。9月に12連勝したが、ひとつの勝利が次の1勝を呼ぶかのような勢いが、連鎖して生まれた。
チームには阿部監督や二岡ヘッド、亀井、内海、松本、村田、実松各コーチと当時を知る首脳陣も多くいる。何が起こるか分からないのがペナントレース。岡本が戻ってくるまで、この日のような接戦を必死に拾い続けていくことが、道になる。(野球評論家・髙橋尚成)