◆第107回全国高校野球選手権兵庫大会▽4回戦 小野11―2網干=8回コールド=(19日・ウインク)

 兵庫の進学校・小野は、第1シードの網干に8回コールド勝ち。本山、藤田兄弟の活躍で6年ぶりに5回戦へ進んだ。

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 小野が、投打でシード校の網干を圧倒した。目立ったのは「藤田兄弟」の活躍だ。2点リードの7回1死満塁で弟・篤志右翼手(1年)が左越えへ2点二塁打を放つと、8回1死満塁では兄・佑輔左翼手(3年)が中前へ適時打。「弟が先に打ったので、僕も打ちたいという気持ちがあった」と、2人で5打点を稼ぎ、6年ぶりの16強進出だ。

 負けじと「本山兄弟」も貢献した。1―0の2回1死満塁で弟・侑和(ゆうと)遊撃手(1年)の二ゴロで1点を追加。「うれしかった。あの1点は大きかった」と先発の兄・翔投手(3年)は勇気をもらった。8回を7安打2失点で2試合連続の完投。鬼門だった4回戦突破の原動力にもなった。

 同校は県内有数の進学校で、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH・理科や数学教育を重点的に行う高校)の指定を受けている。24年度は東大、京大を含む国公立大に100人以上の合格者を輩出した。

勉強との両立に苦労しながらも、藤田佑は「勉強を頑張ることで、野球の結果にもつながっている。両方、手を抜かずに」と国公立大への進学を目指している一人だ。

 藤田&本山。頼もしい兄の背中を追いかけ、同校への進学を決めた弟2人は早くも春からベンチ入りしている。兄弟そろって甲子園を目指せる最初で最後の夏も、スコアボードに名前を並べることができた。「少しでも長く、1つでも多く勝って、一緒の時間を過ごして最高の夏にしたい」と藤田佑。兵庫工との5回戦も、誰にもマネできない一体感で勝ち抜く。(瀬川 楓花)

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