◆第107回全国高校野球選手権富山大会 ▽準々決勝 高岡商5―2富山商(21日・高岡西部)

 注目の“両商対決”が行われ、高岡商が5―2で富山商を下し、4強入りを決めた。プロ注目のエース左腕、岡田一桜(3年)が先発し、初回から全力投球。

ライバルチームに真っ向勝負を挑み、球場のスピードガンで初回に144キロをマークすれば、2回には自己最速の146キロを記録。プロ3球団のスカウトが視察する中、ストレートを軸に6回まで3安打、6三振、1失点と力投した。

 異変が起きたのは、4点を奪って逆転した6回の攻撃時。3番の岡田が出塁し、ヒットなどで三塁を回ったところで足をつって転倒し、そのまま負傷退場となってしまった。今大会は2試合に先発して100球前後を投げ、疲労も徐々に蓄積。吉田真監督は「今日はベストピッチングでしたが、中1日の登板で疲れもあった。力投派で、こういうプレッシャーのかかる試合なので」とエースの奮闘を思いやった。

 この回は途中登板した富山商の145キロ右腕、藤岡大翔(2年)も足をつって退場。両チームのエースが退場するという異様な雰囲気の中、7回から登板した右腕、川口優人(3年)が3回を3安打、1失点に抑えて勝利を呼び込んだ。富山北部との準決勝は24日だが「回復させて、ベストな状態で出場させたい」と吉田監督。猛暑も続く中、3年ぶりの聖地に向けて緊急事態を乗り越える。(中田 康博)

 〇・・・6回途中から登板し、2/3回を1安打、2四死球、2失点で降板した富山商のエース右腕、藤岡は「野手で出場していた時は全然、大丈夫だったが、マウンドに立つと、足がつりそうになってしまった。

今まで、こんなことはなかった。つってでも、投げようと思ったのですが」と悔し涙を浮かべた。

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