◆第107回全国高校野球選手権大阪大会▽4回戦 履正社4―0香里丘(21日・GOSANDO南港)
天国の父へ成長した姿を見せた。履正社・江藤は2点リードの7回からマウンドを踏んだ。
昨夏の練習中、悲痛な知らせが届いた。元高校球児の父・雄(つよし)さんが大動脈解離により、40歳の若さで急逝した。小学時代、捕手だった父とはよくキャッチボールをした。「放心状態。理解できなかった」。優しく、安心感のある父との早すぎる別れだった。
しかし、翌日には練習試合が控えていた。
この日、母は息子の雄姿をスタンドから見守った。“遅咲きのエース”に「ずっと野球大好きでやってきた。最後までずっとそのままでいてほしい。絶対甲子園に行ってほしい」とエールを送った。
背番号1で迎えた最初で最後の夏。江藤は「甲子園で、日本一で、最後のマウンドに立つ姿を見せたい」と、天国の父へ誓った。(松ケ下 純平)