◆第107回全国高校野球選手権大阪大会▽4回戦 近大付10―6大院大高(21日・くら寿司スタジアム堺)

 リベンジ成功に、ナインも観客もお祭り騒ぎだ。1点を追う8回、同点に追い付き、なおも2死満塁。

近大付の4番・桑原が「高めの直球を狙っていた」と左中間へ勝ち越しの2点二塁打。「自分が打って勝たせたかった」と二塁ベース上で何度も拳を突き上げ、大歓声に酔いしれた。

 因縁の相手に土をつけた。昨秋の府大会3位決定戦では大院大高に11回タイブレークの末、8―10で敗れ、近畿大会出場を逃した。この日も5回まで無得点と不穏な空気が流れたが、8回に大逆転の6得点。「3年は負けた悔しさを晴らすために来た。後半勝負だった」と藤本博国監督(55)は選手の成長に目を細めた。

 今夏から4番に座るスラッガーは、7回にも1点差に迫る右前適時打を放つなど、5打数3安打3打点と仕事を果たした。「秋は打てなかったから、打ててよかった。4番が一番好き。これからも自分が打って勝たせたい」と“宿敵”を倒し、自信を深めた。最後の夏こそ、頂点まで上り詰める。

(森脇 瑠香)

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