◆大相撲 ▽名古屋場所10日目(22日、IGアリーナ)

 西前頭4枚目・玉鷲が新横綱・大の里を突き落とし、昭和以降新入幕で最年長となる40歳8か月での金星を獲得した。旭天鵬に並ぶ最年長勝ち越しも決め、単独首位の一山本と1差の2敗を守った。

大の里は今場所3個目の金星配給。昭和以降の新横綱で最多に並ぶ不名誉で、今年春場所の豊昇龍以来5人目となった。優勝争いは一山本を2敗の玉鷲、関脇・霧島、平幕の安青錦、草野ら6人が追う。

 結びで敗れた大の里が天を仰いだ。得意とは逆の左四つで玉鷲を押し込んだが、土俵際に落とし穴が待っていた。逆転の突き落としを食らい、1回転しながら土俵下へ。痛恨の3敗目を喫し、座布団が舞う新アリーナの花道を、顔をしかめながら後にした。支度部屋では目を閉じたまま「しっかり残り5日間、集中してやる」と気丈に振る舞った。

 4日目の王鵬、8日目の伯桜鵬に続き、3個目の金星配給。新横綱としては昭和以降で最多に並ぶ不名誉な記録で、今年春場所の豊昇龍以来5人目。優勝争いでもトップの一山本とは2差に広がった。

 幕内後半戦の九重審判長(元大関・千代大海)は「横綱は心配。

立ち合いがうまくいかないと、今場所は全て負けてしまっている。それを克服すれば強い横綱になれる。課題の残る一番だった」と指摘した。「やるべきことをやるだけ」と必死に顔を上げた大の里。新横綱優勝は1場所15日制以降過去5人いるが、3敗での例はなく、終盤戦を前に黄信号がともった。(大西 健太)

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