◆プロボクシング▽WBA世界ライトフライ級(48・9キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者エリック・ロサ―同級1位・高見亨介(7月30日、横浜BUNTAI)

 WBA世界ライトフライ級1位・高見亨介(23)=帝拳=の挑戦を受ける同級王者エリック・ロサ(25)=ドミニカ共和国=が23日、横浜市の横浜光ジムで練習を公開した。「ミニ・パックマン」の愛称を持つ2階級制覇王者は1ラウンドのミット打ちを披露。

「練習のおかげでスーパーな調子の良さだ。100%試合のイニシアチブ(主導権)をとる。やってきた練習を100%出せば必ず勝てる。すべてにおいて(高見に)勝っていると思う」と自信をみなぎらせた。

 高見は18日の公開練習で「6ラウンドぐらいまでに仕留めたい」と中盤KOでの王座獲得に言及した。この言葉を受け、ロサは「そう(KOを狙うと)考えてもらった方がいい。きっと間違っていますから。反対に(高見が)気をつけた方がいい」と忠告した。

 2年前からロサを指導するイスマエル・サラス・トレーナーも「私が思うには、相手がKOを狙っていると言葉にするのはディフェンスがおろそかになるということ」とコメント。8月にWBA世界フライ級暫定王座決定戦に出場するアンヘリーノ・コルドバ(ベネズエラ)らハードパンチャーと約120ラウンドのスパーリングを重ねてきたとして「今回の相手(高見)はハードパンチャーとは言えない」と挑発した。

 また、元世界4階級制覇王者・井岡一翔(36)=志成=らを指導するなど日本人選手を熟知する名伯楽サラス氏は「いつも相手を必ず研究して、ネガティブな面を突いていく戦略をとる。高見はガードが下がりやすい。

その部分をついていくという手もある」と指摘した。

 練習を視察した高見陣営の田中繊大トレーナーは、ロサの「倒しに来てもらった方がいい」との発言に対し「高見に倒しにいくなと言っても倒しにいきますから。高見は攻めどころを知っている。世界タイトルマッチで浮足立たなければ」と語った。サラス氏のガードの指摘についても「どんな選手でもパンチを出す瞬間はガードが空きますし、パンチが見えていれば問題ない」とかわし、「ただ最初のパンチはアングルなども分からないので注意しないといけない。気負いすぎて突っ込まないようにしたい」と続けた。

 「ミニ・パックマン」の愛称は、サウスポーでボクシングスタイルが元世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ(46)=フィリピン=と似ていることと、小さな体でリングの上で相手を食べていくことも由来になっているという。

 前評判では、名門・帝拳ジムの「秘密兵器」高見が優勢とされているが、ロサは「彼は勢いがあるかもしれないが、私も勢いがある。たった5戦で(WBAミニマム級)世界王者になった。必ず勝利する」と力強く語った。

 戦績は高見が9戦全勝(7KO)、ロサが8戦全勝(2KO)。

 興行はU―NEXTでライブ配信される。

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