陸上の全国高校総体(インターハイ)と全日本中学校選手権(全中)の開催時期が来年以降、現在の7~8月から変更が検討されていることが23日、分かった。両大会の主催団体のひとつとなっている日本陸連が暑さ対策として、7~8月の開催を見直すように強く求めているため、6月以前、あるいは9月以降への移行が検討されている。

 今年はインターハイが25~29日に広島市で、全中が8月17~20日に沖縄市で開催される。

 暑さ対策として、今年はインターハイの競技日程と競技方式が大幅に変更された。トラック競技の800メートル以下の種目は、予選・準決勝・決勝の3ラウンド制から予選・決勝の2ラウンド制となる。決勝は、準決勝進出相当の24人でタイムレースで行う。番組編成は400メートル以下の種目は均等割り、800メートルは予選の記録順となる。1500メートル以上の種目は予選・決勝の2ラウンド制から一発勝負のタイムレース決勝で、資格記録順で番組編成される。

 女子800メートルで日本記録(1分59秒52)を持つ東大阪大敬愛高の久保凛(3年)は、3連覇を狙う800メートルに加え、1500メートルにエントリー。従来の日程では最多5レースだったが、競技方式の変更により最多3レースとなった。

 フィールド競技は予選と決勝を行うが、試技は予選が2回まで。決勝は2回の試技を行い、トップ8がさらに2回の試技を行う。走高跳と棒高跳は、2回連続無効試技で競技終了とする。通常は、いずれも3回とされている。

 8月の全中も暑さ対策として同様にタイムレース決勝などの競技方式に変更される見込みだ。

 全国チャンピオンを決める大会において、タイムレース決勝は異例。100メートルや200メートルの短距離種目は組によって追い風、向かい風で左右される。中長距離種目は予選記録や資格記録の速い選手が集まった組が事実上の決勝となり、それ以外の組から上位進出は難しくなる。

 全国高校総体では22日に発表された競技方式の変更が23日にさらに一部で変更されるなど、選手や関係者の安全を守るための暑さ対策は試行錯誤している。関係者の話を総合すると、今年の競技方式の変更は暫定的な措置。来年以降、従来の競技方式に戻すために酷暑の夏を避けて開催時期の変更が本格的に検討され始めている。

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